中国から水銀飛来か 石炭燃焼で発生、沖縄で観測石炭の燃焼などによって中国で発生する水銀が、風に乗って日本にも到達している可能性があることが、環境省による22日までの大気観測で明らかになった。 検出された量は極めて微量で国の指針値を大きく下回り、直ちに健康に悪影響を及ぼすわけではないが、中国方面からは光化学スモッグの原因となるオゾンも日本に流入していることが指摘されており、越境大気汚染対策の強化を求める声が強まりそうだ。 同省は2007年10月から、沖縄県国頭村の辺戸岬で大気中に含まれるガス状水銀の連続測定を始めた。昨年10月までに得られた測定結果によると、濃度はほぼ大気1立方メートル当たり1-2ナノグラム(ナノは10億分の1)で推移。中国や韓国で報告されている大気中の水銀濃度の半分程度だった。 ただ月に数回程度、2ナノグラムを超えるピークが観測され、08年2月には最大値となる4・4ナノグラムの水銀が観測された。 2・5ナノグラム以上と比較的高い濃度が観測された時の大気の移動経路などをコンピューターで分析すると、2ナノグラム未満の時に比べ、中国大陸を通って辺戸岬に到達しているケースが多く、大陸からの影響が疑われた。 国は健康への危険を低減するため、大気中の水銀については年平均値で1立方メートル当たり40ナノグラム以下という指針値を定めている。 主なエネルギーを石炭に頼っている中国は、石炭の利用増加に伴って石炭中に含まれる水銀の排出が増加。米国にまで到達しているとの指摘もあり、削減を求める声が世界的に強まっている。 【共同通信】
|
関連記事を取得中...
|
ソーシャルブックマークへ投稿: (ソーシャルブックマークとは)