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SFCGが債権を二重譲渡 信託銀・日本振興銀に(1/2ページ)

2009年3月23日3時0分

 経営破綻(はたん)した商工ローン最大手のSFCG(旧商工ファンド)が、他行に譲渡した貸し出し債権を日本振興銀行に二重譲渡していたことが、関係者の話で分かった。不正取引の発覚を受け、各行が譲渡債権の権利を主張し合う構図になっている。

 SFCGは貸し倒れリスクが高い中小・零細企業に高めの金利で貸していたが、自らの資金繰りが悪化。2月23日に3380億円の負債を抱えて破綻する直前まで、こうした貸し出し債権を譲渡し、資金調達を図っていた。一方、貸出先を自力で開拓する手間を省けるとみた新規参入の日本振興銀行は、SFCGから3万5千件の債権を購入。関係者によると、総額は800億円程度とみられる。

 ところが、同行が買い取った債権に、別の複数の信託銀行に譲渡済みのものが含まれていることが、SFCG破綻後に発覚。SFCG側の弁護士が今月、関係銀行に事情を説明した。現在、SFCGと各行が二重譲渡の規模や経緯などを調べているほか、金融庁も事情を聴いている。

 日本振興銀行は取材に「すべての債権譲渡で法的に有効な登記をしている」と回答。「全件調査しているが、二重譲渡の金額は不明」とする一方、「(損失に対する)十分な金額の保全を確保している」ため影響は軽微という。

 SFCGから貸し出し債権を譲り受けた信託銀行各行も登記しているという。ある信託銀行は「二重譲渡はSFCGが意図的にしなければできないことだ」と批判するが、SFCG側の弁護士は取材に「ノーコメント」と説明を拒否している。

 二重譲渡をめぐるトラブルとしては、音楽プロデューサーの小室哲哉被告(公判中)が、レコード会社などに譲渡していた自作の曲や歌詞などの著作権を再び別の投資家に売った事件がある。

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