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若者のトレンドは自然の中で野菜作り…就職より就農 (2/2ページ)
農業情報などを発信する全国農業会議所(東京)から委託されて平成11年度にスタートした農業体験事業は、毎年150〜200人の参加者数で推移していたが、20年度には約350人に急増。内訳は学生約270人、社会人約80人だ。大学生は3年生がほとんどで、社会人は20〜30代のアルバイトやフリーターが多く、参加者のうち約4割は就農を考えているという。
名取さんは「これまでも景気が悪ければ参加者は増える傾向にあったが、今回のような深刻な不況が続けば、就農のきっかけとして農業体験事業への参加希望者は今後もさらに増えるのではないか」と語る。
●ブームの行方は
農林水産省の統計によると、19年の新規就農者(39歳以下)は1万200人で、2年の4300人に比べ倍以上の伸びをみせている。「特にここ数カ月の不況の深刻化の影響もあるのか、就農支援説明会を開けば参加者は通常の倍以上が集まる」(同省人材育成課)という盛況ぶりだが、農業に引き寄せられる理由は何なのか。
「若い世代は、食の安全問題や環境問題がクローズアップされてきた時代を生きており、農業の重要性をよく認識している」
大学生と農業界の橋渡し役を担っているイベント会社「NOPPO」(東京)社長の脇坂真吏さん(25)はこう話した。
農業情報を求める学生のうち7割は非農学部系で、社会人も大半が正社員という。
脇坂さんは「農業である程度の稼ぎができるかを見極めながら、自然の中で暮らしたいという人が増えているのだろう」と、農業人気の広がりに期待を寄せている。(花房壮)