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若者のトレンドは自然の中で野菜作り…就職より就農 (1/2ページ)
20〜30代の若者世代の間で今、農業が脚光を浴びている。就職面接会や体験イベントには参加者が殺到し、実際に農業を就職先として選ぶケースも増えているという。食への安全意識の高まり、「100年に1度」の不況…。背景はさまざまだが、関係者は「農業を知らない都会の若者の間に、野菜などを自分で作る農業生活へのあこがれが強くなっている」と話しており、ブーム到来を予感させている。
●コンサルから転職
「前職に比べて収入は半減したが、自然の中で農業をする喜びは何ものにも替え難い」
長野県佐久市。2年前から無農薬野菜などを生産・販売する「藤井農園」の藤井志郎さん(32)は、充実感に満ちた生活を送る。
東大卒業後、IT系企業やコンサルティング会社などに勤務していた藤井さんは、約3年半前に脱サラし、全く縁のなかった農業の世界へ飛び込んだ。転職の理由についてはこう話す。
「国内の食料自給率の低さが問題となる中、日本の農業を衰退させないために何ができるかと考えた結果、自分で農業を営むことが一番だと気付いた」
別の農園で1年半ほど修業した後、妻と2人で借りた畑に野菜を作り、首都圏の約120軒の“お得意さん”に販売している。
農業に対して地味なイメージは全くなかったという藤井さんは、「サラリーマンにとって農業は今後の有望な転職先になるかもしれない」と予測する。
●体験イベントに殺到
若い世代に“農業熱”が確実に浸透している兆しがある。
「学生や社会人の参加希望者が急増して、受け入れ先の農業法人を確保するのが難しくなっている」
こう話すのは日本農業法人協会(東京)の名取芙海さん(29)だ。