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「日本に負けたら玄界灘に身を投げろ」(下)

 この大会予選の韓日戦のポスターも、よく見ると興味深い点がある。3月7日と14日の2回にわたって試合が行われることを伝えるこのポスターには、2試合とも明治神宮競技場で開催されると書かれている。案内のパクさんは「予選は本来、ホーム・アンド・アウェーで行われるものですが、李承晩(イ・スンマン)大統領が“日本人選手は見たくもない”として、2試合とも日本で行われることになりました」と説明してくれた。当時、代表監督だったイ・ユヒョン氏は「日本に勝てなければ全員が玄界灘に身を投げる」という覚悟で試合に臨んだという。日本で開催された試合にもかかわらず、「日本対韓国」ではなく「韓国対日本」と表記されている点も興味深い。

 韓国初のサッカーシューズ(1882年)をはじめとして、日本に支配されていた時代のサッカーに関する写真、各時代のサッカーボールやグッズ、2002年ワールドカップ韓日大会のイタリア戦で安貞桓(アン・ジョンファン)が決めたゴールデンゴールのボールなども興味深い。とりわけイタリア戦でその無表情さが印象に残るモレノ審判が使ったイエローカードとレッドカードも展示されているが、イエローカードを詳しく見ると、片隅にひびが入っている。案内のパクさんは「モレノ審判は無表情だったが、トッティ選手にイエローカードを出すとき、内心どれほど緊張していたかを示す証拠です」と述べた。

 北朝鮮館には、韓国ではなかなか見ることのできない北朝鮮のサッカーに関する資料が展示されている。釜山アジア大会の北朝鮮代表全員のサインが書かれたホン・ヨンジョのユニホーム、1960年代に北朝鮮で発行されたサッカー教本、80年代に北朝鮮で作られたサッカーボールとシューズ、北朝鮮サッカー協会のペナントやサッカー用品なども展示されている。ほとんどが南北体育交流協会から寄贈されたものだ。

 英国プレミアリーグで活躍している朴智星(パク・チソン)のファンならば、朴智星館は絶対に見逃せない。朴智星が学生時代に着ていたユニホーム、2007-08欧州チャンピオンズ・リーグでの優勝メダル、08FIFAクラブ・ワールドカップの優勝メダル、08アジア最高選手賞のトロフィーなど、貴重な資料が4月初めまで、期間限定で展示される予定だ。

 サッカー博物館は休日を除く午前9時から午後6時まで、入場料は小学生・国家功労者・障害児は500ウォン(約33円)、中学生以上の一般は1000ウォン(約67円)、20人以上の団体は20%引きとなる。博物館の職員に説明を求めれば、展示物ごとに興味深いエピソードも聞くことができる。

キム・ウソン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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