■ゼネコン各社「献金で談合調整」
小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、西松建設が東北で過去10年間に受注した公共工事は総額約437億円にのぼり、小沢氏の地元・岩手と秋田の両県で約230億円と、東北全体の半分以上を占めていたことが21日、産経新聞の調査で分かった。ゼネコン各社が東京地検特捜部の事情聴取に「東北の公共工事で談合していた。小沢氏側への献金は受注調整を成功させるためだった」との趣旨の供述をしていることも捜査関係者の話で判明。献金の背景に受注調整があった疑いが濃厚となった。
工事経歴書などによると、平成10年以降、西松が受注した国や自治体発注の工事は、東北全体で45件、総額約437億円だった。
岩手県では計12件、約107億9000万円で、東北での受注総額の約25%を占め、東北全県で2位だった。最高額は、国交省東北地方整備局発注の胆沢ダム洪水吐き打設工事で、18年に約50億1000万円。14〜15年には、県発注の花巻空港関連工事を計7件、総額約18億円で受注した。
また西松は14〜17年、秋田県で計4件、約122億5000万円の公共工事を受注。東北での受注総額の約28%を占め、トップだった。受注額が最高だったのは、同整備局が14年に発注した森吉山ダムの第1期本体工事で約61億6000万円。県発注では、県立武道館建築工事の約12億8000万円が1位だった。
ゼネコン関係者によると、小沢氏の地元・岩手と、影響力が特に強い秋田は、「小沢王国」とも呼ばれる。東北には、「談合決別宣言」があった17年末前後までゼネコン各社の談合組織があり、鹿島の東北支店幹部が「仕切り役」となって「チャンピオン」と呼ばれる公共工事の本命業者を調整。陸山会の会計責任者、大久保隆規容疑者(47)の前任者に本命業者名を報告し、了承を得ていたとされる。この手法は後任の大久保容疑者に受け継がれたという。
捜査関係者によると、各ゼネコンの元担当者らは、特捜部の聴取に「東北の公共工事で談合していた。小沢氏側への献金は受注調整を成功させるためだった。受注調整から外されないために献金した」との趣旨の供述をしているという。
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