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最終更新:2009年3月22日(日) 18時20分

イラク戦争から6年、兵士の複雑な思い

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 イラク戦争開戦から20日で6年が経ちました。アメリカ国民の6割がイラク撤退という政策を支持する中、犠牲を払った兵士たちは複雑な思いを抱いていました。

 陸軍兵士のリカルド・サムーディオさん(24)は去年12月、バグダッドでパトロール中、車に手りゅう弾を投げ込まれました。

 「手りゅう弾は車の屋根に当たって、私の右足首を直撃しました」(サムーディオさん)

 派遣されてから5か月近くが平穏に過ぎ、イラクの安定を実感していた矢先の出来事でした。

 テキサス州サンアントニオ。こちらの施設では、爆弾による足の切断など大けがをした兵士たちがリハビリを行っています。

 空挺部隊に所属していたイスラエル・デルトロさん(33)は2005年12月、アフガニスタンでパトロール中に道端に仕掛けられた爆弾が爆発。体の80%以上に及ぶ大やけどを負いました。

 奇跡的に普通の生活が送れるまでに回復しましたが、一度だけくじけそうになったことがあると言います。

 「『こんなモンスターみたいな顔、自分でも怖いのに3歳の息子はどう思うだろう?』そう考えたら『何でおれを生かしたんだ。何で死なせてくれなかった』と訴えていました」(空軍 デルトロ軍曹)

 しかし、息子のイスラエル君は、一瞬戸惑いを見せただけで、すぐに胸に飛び込んできました。

 「お父さんは兵士で、人を助けるいい人だよ」(息子のイスラエル君)

 お父さんのような強い男になりたいという息子のためにも、デルトロさんは兵士であり続けたいと願っています。

 オバマ大統領は来年8月末までにイラクから戦闘部隊を撤退させ、テロとの戦いの主戦場をアフガニスタンに移そうとしています。このリハビリ施設からも、2割近くが戦場に戻っていきます。

 「僕の目標はイラクにいる仲間たちが帰ってくる前に復帰して、帰還する彼らを出迎えること、そして2年以内にアフガニスタンに行くことです」(リカルド・サムーディオさん)

 しかし、イラク戦争はそもそも間違っていたという世論の流れに、複雑な思いを抱いている兵士も少なくありません。

 「我々がやり遂げなければ、仲間の死が無駄になってしまうと思っています」(空軍 イスラエル・デルトロ軍曹)様々な思いを抱えながら、再び戦場に戻ることを願う兵士たち。彼らの戦いの終わりはまだ見えていません。(22日17:40)