蔵人たちが「甑倒し」
蔵人たちが「甑倒し」 03/06 16:59

佐賀県小城市の造り酒屋で、今シーズンの酒の仕込みがすべて終わったことを祝う、恒例の「甑倒し」が行われました。

小城市の天山酒造の酒蔵にけさ、そろいの法被と鉢巻姿で集まったのは6人の蔵男たち。

酒樽をリヤカーに載せ、掛け声とともに走り出しました。

秋から続けてきた新酒の仕込みが終わったことを祝う「甑倒し」は、1875年の創業当時から続く伝統行事です。

酒米を蒸す桶=「甑」が役目を終え、倒して片付けられることにちなんでいます。

蔵男たちはおよそ4キロのコースを駆けめぐりながら、行く先々で出会った人たちに、樽の中の新酒をふるまいます。

樽みこしのゴールは、天山から湧き出た名水がしたたる清水の滝。

蔵男たちは滝に打たれて身を清めながら、無事に酒造りが終わったことに感謝していました。

甑倒しが終わると、山あいの里は次の米作りが始まるまで、しばしの静寂に包まれます。