浜田、江津両市内の行政、医療機関が地域のお産を考える浜田圏域周産期医療連携体制検討会がこのほど、浜田市片庭町の島根県浜田合同庁舎であった。出席した三十人は医師や助産師不足の現状を報告し合い、人材確保のアイデアを出し合った。
両市内では年間約七百件の分娩(ぶんべん)があり、産科医は済生会江津総合病院二人、浜田医療センター三人、浜田市内の開業医二人の計七人。開業医二人は高齢のため健診だけをし、分娩はセンターにバトンタッチする連携システムをとっている。
センターは「医師の病欠などもあり、土日に山口大から医師を派遣してもらっている。里帰り出産を断ることも考えたが地元出身医師の頑張りでしのいでいる」と窮状を報告。益田市内の開業医が助産師不足のため昨秋から分娩を取りやめた例が報告され、看護師、助産師不足の深刻さも論議になった。
開業医の一人は「三十二週まで引き受けている妊婦健診を三十六週くらいまで延ばすことは可能」などとした。センターへの支援を強化して助産師を増員し、診療所などへ派遣する案、県立大看護学科の地元入試枠の拡大を求める声も出た。
谷口栄作浜田保健所長は「圏域出身医学生へ定期配信しているメールのほか、医師の子どもが帰郷した時に会食するなどきめ細かなPR作戦も考えたい。できることは何でもやろう」と呼び掛けた。(田中伸武)
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