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千年サンゴ守れ、ボランティアらオニヒトデ退治 徳島

2009年3月22日3時2分

写真:海中のオニヒトデを鉄挟みとかごで撤去するダイバー=牟岐町沖の牟岐大島周辺、牟岐千年サンゴの発掘隊提供海中のオニヒトデを鉄挟みとかごで撤去するダイバー=牟岐町沖の牟岐大島周辺、牟岐千年サンゴの発掘隊提供

写真:海中から駆除したオニヒトデを点検するダイバーら=牟岐町灘の古牟岐港海中から駆除したオニヒトデを点検するダイバーら=牟岐町灘の古牟岐港

 生息する世界最長寿級「千年サンゴ」を守ろうと呼びかけた、オニヒトデの一斉駆除が20日、徳島県牟岐(むぎ)町沖の牟岐大島周辺の海域であった。全国各地からボランティアや、地元の「クラブノアむぎ」スタッフら中級以上のダイバー55人が潜り、1日かけてオニヒトデ276個を駆除した。今後も定期的に駆除を続ける。

 千年サンゴをシンボルにした町おこしに取り組んでいる「牟岐千年サンゴの発掘隊」が主催した。2月半ばの調査で、オニヒトデが大量に発生し、千年サンゴには被害は及んでいなかったが、サンゴの半数近くが食い荒らされていることが分かった。猛毒性から駆除に専門技術が必要なため、熟練ダイバーに協力を呼びかけた。

 ダイバー55人は漁船7隻に分乗し、午前と午後の2回、千年サンゴが生息する内湾など、2月の調査で被害が多く見られた4カ所を中心に駆除をした。鉄挟みを持って2人1組で潜り、サンゴに張り付いたオニヒトデをかごに入れた後、船の上へ引き揚げた。

 駆除したオニヒトデを港の岸壁に並べて点検したところ、30センチ以上が35(最大45センチ)、30〜20センチが174、20センチ以下が67だった。千年サンゴには被害は見られなかった。だが、発掘隊の事務局長、水上雅晴・モラスコむぎ館長は「オニヒトデの繁殖状況から駆除を今後も続けなければ、食害を受ける可能性が高い」と警戒する。

 千年サンゴは高さ9メートル、根元の周囲31メートル、クリスマスツリーのような形状で海底18メートルからそびえ立っている巨大なコブハマサンゴ。「世界でも最長寿と見られ、大きさは国内最大級」というのが専門家の鑑定だ。

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