現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. 西松建設事件
  5. 記事

胆沢ダム「談合、小沢事務所の意向反映」供述も

2009年3月20日3時9分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 西松建設から民主党・小沢代表の資金管理団体「陸山会」への違法献金事件をめぐり、同社関係者が献金の理由として挙げていた「胆沢(いさわ)ダム」(岩手県奥州市)の工事受注に絡んだ談合があったことを、複数のゼネコン関係者が東京地検特捜部の調べに認めていることが分かった。

 関係者によると、仕切り役が大手ゼネコン・鹿島の東北支店元幹部だったことや、談合の際に元幹部から「小沢事務所の意向が反映されている」と説明を受けたことを認めているゼネコン関係者もいる模様だ。ゼネコン間の受注調整に小沢事務所側が関与していた疑いが強まった。

 西松建設は、総事業費約2440億円に達する胆沢ダム工事の一部(約90億円)を受注。同社内では、これを小沢代表側への献金の成果だと認識していたことが供述などで既に明らかになっている。その後、主要工事などを受注した大手ゼネコンの清水建設、大林組、大成建設の3社も下請け業者に献金させていた疑いが浮上。このダムをめぐる談合疑惑は、西松建設の違法献金の背景として、捜査の焦点の一つになっているとみられている。

 胆沢ダムは、岩石などを積み上げて造るロックフィルダムとしては日本最大級。国土交通省の発注で、2013年の完成を目指した工事は03〜08年に分割発注された。本体工事(約438億円)は、鹿島、清水建設など3社の共同企業体(JV)が受注。その他の工事を大成建設のJVが約250億円で、大林組が約11億円でそれぞれ請け負った。

 一方、関係者によると、ダム工事をめぐっては、仙台市を拠点に06年ごろまで談合を続けていたゼネコンの東北支店・支社間の組織が、03年以前から受注調整を開始。各社が受注希望を出す中で、仕切り役を務めていた鹿島東北支店元幹部らが最終的な配分を組織内に伝えたとされる。その中で元幹部が一部の社に対し、配分には小沢事務所側の意向が反映されているという趣旨の発言をしたという。

 西松建設は、東北地方の大型公共工事の受注で便宜を図ってもらうことを期待し、95年ごろから、小沢代表側にダミー団体などを通じて年に2500万円の政治献金を始めたとされる。特捜部は、小沢代表の公設第1秘書と陸山会の会計責任者を兼ねる大久保隆規(たかのり)容疑者(47)=政治資金規正法違反容疑で逮捕=が00年ごろから、こうした献金の窓口になっていたことを把握。胆沢ダムをめぐる談合への関与の有無をめぐる調べを進めている。

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内