2011年以降にチャンネル枠が拡大するBS(放送衛星)デジタル放送に参入を計画していた三菱商事、三井物産、伊藤忠商事が、それぞれ、参入を見送る方針を固めたことが21日、明らかになった。
昨年8〜9月に総務省が実施した参入希望調査では、計53陣営が名乗りをあげたが、急速な景気悪化を背景に、放送事業の採算性や成長性を精査した結果、多くの陣営が戦略の見直しを迫られている状況だ。総務省は23日に参入の申請を締め切る。
BSデジタル放送のチャンネルは、11年には現行の2倍程度の20チャンネル以上になるとみられている。国内外の企業との強力なネットワークを持つ大手商社が参入すれば、視聴者獲得競争の激化は必至だったが、景気悪化で新規投資は難しいと判断した模様だ。
一方、WOWOWや、通信衛星(CS)放送を手がけるスカパーJSATなどは、高画質のハイビジョン放送を展開できることから、参入意欲を示している。
三井物産傘下の子ども向け専門チャンネルは、引き続き参入を検討するとみられる。
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