【カイロ=加藤賢治】マダガスカルで軍部の後押しを受けて政権を奪取した野党指導者ラジョエリナ氏(34)が21日、首都アンタナナリボで大統領就任式を強行した。
AFP通信によると、同氏は支持者約4万人を前に「国民のために最善を尽くし、法を尊重する」と演説した。だが、欧米やアフリカ連合(AU)は政変をクーデターと非難、新政権を認めない方針を示しており、同氏への圧力を強めている。
AUは20日、同国の資格停止を決め、半年以内の大統領選実施を求めた。旧宗主国フランスのサルコジ大統領も同日、政権交代を「クーデター」と明言、唯一の事態収拾策は早期の大統領選実施だと述べた。米国務省報道官は対マダガスカル援助の一部凍結方針を発表した。同通信などによると、就任式に駐マダガスカル各国大使の姿はなく、新政権の孤立を裏付けた。