不法入国で国外退去を命じられたフィリピン人のカルデロン・アランさん(36)=蕨市=の一家が、長女のり子さん(13)を残して帰国する問題で、埼玉弁護士会は18日、法務省や東京入国管理局に対し、両親にも在留特別許可を出すように求める声明を発表した。
声明は「強制送還の威嚇を背景に、両親にのり子さんを残して帰国することを承諾させたことは、子どもの権利条約に違反する」とし、さらに家族への恣意(しい)的な干渉の禁止などを定める「自由権規約」にも反すると指摘している。立石雅彦副会長は「条約は法律よりも優先されるはずだ」と話した。【飼手勇介】
毎日新聞 2009年3月19日 地方版