民主党の小沢一郎代表の秘書が政治資金規正法違反容疑で逮捕された事件で、小沢氏が「不公正な国家権力の行使」と非難していることについて、河村建夫官房長官は6日午前の参院予算委員会で、「日本は成熟した法治国家であり、政治的意図を持って捜査したり、政府がそういうことを考えるのはあり得ない」と述べ、小沢氏の主張に不快感を示した。自民党の岩永浩美氏の質問に答えた。
森英介法相も「これまで検察当局は法と証拠に基づき、捜査の対象がどなたであれ、刑事事件として取り上げるべきものは適切に対処してきた」と述べ、捜査は適正に行われているとの認識を示した。
6日午前の閣議後記者会見で、各閣僚からも事件をめぐる発言が相次いだ。
甘利明行革担当相は「検察は政府から独立した捜査機関だ。国策捜査が行われると固く信じる政党が政権を取ったら相手の党はたまったもんじゃない」と述べ、小沢氏の対応を批判した。
一方、自民党にも不正な政治献金を受けた疑いのある議員がいることについて、野田聖子消費者行政担当相は「党に関係なく、かかわった議員は個人の判断でしっかり説明を果たすべきだ」と強調。
石破茂農水相も「われわれも自重自戒しなければならず、敵失に乗じてなどと考えては絶対ならない」と述べ、与党に広がる高揚感を戒めた。
■「自民に波及せず」 高官発言に批判殺到
自民党の細田博之幹事長は6日午前、党役員連絡会後の記者会見で、政府高官が西松建設の違法献金事件に関する捜査が自民党議員にまで拡大しないとの見通しを示したことについて「今日の役員連絡会で(出席者から)『実態も分からないのに、分かったようなことを言うべきではない』との意見があった。その通りだ」と批判した。
一方、民主党の鳩山由紀夫幹事長は6日午前、都内で記者団に対し「自民党には及ばないということを政府筋がおっしゃるということは、政府筋と検察の間で何らかの『できレース』が存在しているのではないか。彼らがなぜ、自分たちには及ばないと確信を持てるのか、強い疑念を感じる」と批判した。
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