【北京20日時事】浜田靖一防衛相は20日午後、北京市内の中国人民解放軍迎賓館で、梁光烈国防相と会談した。北朝鮮が長距離弾道ミサイルとみられる「人工衛星」の打ち上げ準備を進めていることについて、梁氏は「日本などが淡々と受け止め、冷静な対応を取ったほうが良い」と述べ、発射した場合に迎撃を含めた対応措置を検討している日本など関係国に対し、間接的に懸念を表明した。
梁氏はまた、「北朝鮮がミサイルを撃たないのが一番良い」と指摘。北朝鮮に自制を促すかどうかなど中国側の対応に関しては、明確に言及しなかった。浜田氏は会談後、北朝鮮のミサイル発射計画をめぐる会談でのやりとりについて、記者団に「わが国の領土、領空、領海に飛んでくるものには対処するという話はした」と説明した。
会談では、ソマリア沖の海賊対策に関し、海上自衛隊と中国海軍の間で情報交換などの分野で協力することで一致した。ハイレベル相互訪問の一環として、梁氏が年内に訪日することでも合意。こうした内容を共同プレス発表として取りまとめた。
一方、浜田氏は会談で、21年連続で2ケタの伸びを続けている中国国防費について、予算の内訳明示など情報公開を徹底するよう要請。梁氏は「中国の装備はかなり立ち遅れている」として、理解を求めた。同時に「大国で空母を持たないのは中国だけ」とし、中国国防相として初めて、空母保有が必要との認識を表明した。
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