民主党の小沢一郎代表は17日夕、党本部で記者会見し、西松建設による違法献金事件を受け、同党内で公共事業受注企業からの献金禁止を求める声が出ていることについて、「禁止するなら企業献金と今回問題になった団体献金を全面的に禁止することだ」と述べ、企業団体献金の全面禁止を検討すべきだとの姿勢を示した。次期衆院選での争点化も視野に、企業団体献金の規制強化に慎重な声が出ている自民党との違いを示す狙いがあるとみられる。ただ、小沢氏は具体的な法改正案などには言及しておらず、民主党内からも実現を疑問視する指摘が出ている。
また、自らの進退については「そう遠くないうちに(検察)当局の判断が示されると思う。結論が出た時に今後のことを判断したい」と語り、逮捕された公設秘書の拘置期限の24日までに検察が起訴するか否かを見極めたうえで判断する考えを改めて示した。
小沢氏は会見で、西松建設OBが設立した二つの政治団体からの献金の違法性を問われ秘書が逮捕されたことを念頭に「いろいろな会社や業界が持つ政治団体を通じた寄付が行われており、その出資者はかなりのケースで企業だ」と指摘。「今度の問題を教訓とすれば、全企業、団体献金を禁止するのがいい」と踏み込み、「政権を取ったら政治資金のあり方を根本的に変えようと思っている」と述べた。
事件に関し、東京地検特捜部からの事情聴取については、「いまだ地検から何の連絡も受けてない」と否定した。【渡辺創、田中成之】
毎日新聞 2009年3月18日 東京朝刊