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チャン・ジャヨン文書:「悪質なデマの根を絶つべき」(下)

 タレントのアン・ジェファンさんが自殺した事件との絡みで、巨額の融資をしていたというデマを流され苦しめられていたチェ・ジンシルさんは結局、自宅の浴室のドアに鍵をかけ、そこで自ら命を絶った。

 デマは何も、芸能人や著名人だけを攻撃するものではない。キムさん(33)は2005年、別れた元恋人が自殺した後、突然「妊娠した彼女を捨てたハレンチ男」と決めつけられ非難されるとともに、あらゆる個人情報をネット上で公開された。職場も友人も失ったキムさんは、家の中に引きこもることを余儀なくされた。また06年には、性的暴行の被害に遭った女性が「男性を誘惑した」と決めつけられた。性的暴行を加えた犯人がネット上に書き込んだ内容を信じたネットユーザーたちが、被害者について「悪いXX」などと書き込み中傷したのだ。

 デマの根は簡単に絶てるものではない。盧武鉉(ノ・ムヒョン)前政権下で警察は、デマの発生源となった証券情報誌(通称「チラシ」)について、大々的な取り締まりを行った。これにより、こうした情報誌は一時下火になったが、今回の「チャン・ジャヨン・リスト」の一件で再び息を吹き返している。

 元情報通信倫理委員長の姜智遠(カン・ジウォン)弁護士は、ポータルサイトの責任が重大だ、と指摘した。ニュースにコメントを付けるサービスやブログ、コミュニティーなどを主な収入源としているポータルサイトが、これらを通じて流されるデマの被害の防止には消極的だというわけだ。姜弁護士は「ネット上で流されるデマは、かつての“井戸端のうわさ”に比べ、もたらされる被害があまりにも深刻だ。名誉棄損罪よりも2-3倍重い処罰をしてしかるべきだ」と話している。

韓賢祐(ハン・ヒョンウ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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