小野小町の姿見の橋(2009/03 掲載分)
岡部の国道一号線沿い、初亀醸造の迎え側にある旧東海道を入って五十m程の所に、見逃してしまいそうな小さな橋が架かっています。コンクリート製の橋には、「姿見の橋」という文字。隣には、案内版があり「小野小町の姿見の橋」とあります。
絶世の美女と謳われ、歌人としても有名だった小野小町が晩年、東国に下る途中岡部宿に泊まった時のことです。橋の上に立ち、夕日に映える西山の景色に見とれていましたが、ふと、水面に映る自分の姿を見て、過ぎし昔の面影を失ってしまったと老いの身を嘆き悲しんだので、この名がつけられました。
このような小野小町の伝説や伝承は全国で百箇所以上あるとのことです。
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軽便の藤枝本町駅(2009/02 掲載分)
飽波神社前にある安藤塗装店の作業場は、元静岡鉄道駿遠線藤枝本町駅舎です。軌道幅が七六二?の軽便です。昭和二三年、大手から地頭方までの藤相線と地頭方から袋井までの中遠線が合併して駿遠線となり、当時全長六四・六?で日本最長でした。
藤相線は、大正一四年から昭和一一年までは、岡部までありました。この藤枝本町駅も昭和三○年までは、岡出山駅という名称でした。
昭和三九年に廃線となり、ちょうど換地でここに引っ越してきた安藤塗装店が、駅舎を譲り受け、瀬戸川寄りに一八mほど移動して、作業所として現在まで使っています。大正二年の開業の駅であり、現役時代は道沿いにありました。
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神神社と三輪鳥居(2009/01 掲載分)
岡部の三輪に突然現れるこんもりとした杜が神(みわ)神社です。六四四年に奈良の大神神社から分祀されたもので、奈良同様に昔は、高草山をご神体とし、本殿はなかったといわれています。その名残が、この変わった形の三輪鳥居です。この鳥居は、高草山の頂上方向を向いています。奈良の大神神社や隣接の檜原神社、大阪の坐摩神社、東京の牛嶋神社で見られますが、全国で数例しかないとても珍しいものです。鳥居の奥には石組みの磐境があり、古代の祭祀場といわれ、五本の御幣が立っています。現在の本殿はその隣にあり、大物主神が祭神です。宮司様は何と五四代目です。
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