無資格者にも行える応急処置法を以下に示す。
蜂毒によるアナフィラキシー・ショックの際の対応チェックリスト(食物アレルギーでも同じこと、この場合は食べたものを吐かせることが一番大事)
@ 人を呼ぶ。 これは複数で処置を行うことが目的だが、不幸にして後々事件として取り扱われることになった際、第三者の存在が自分の身を護ってくれることにも繋がる。
A 寝かせて安静にする。 血圧が下がった場合でも、脳への血流量を確保するため。場合によっては下肢を挙上させる必要がある。吐き気があるようなら、吐物が気管に入らないように側臥位にする。
但し、呼吸困難が先に起こった場合は起座位の方が楽かもしれない。
B ズボンのバンドを弛めたり、シャツのボタンを外すなど、血流を邪魔しそうな部分を除去する。
C スポーツ選手が使うような携帯ボンベ式のもので酸素投与を始める。
D ハチミツをお湯に溶いたものをゆっくり飲ませる。 血糖値を確保し脳細胞のダメージをできるだけ小さいものにするため。脳血流が不足した場合でもブドウ糖が存在することで脳のダメージは縮減できる。他の甘い飲み物でも良い。
E 日頃からアトピーや喘息のある患者さんは抗アレルギー剤などの内服薬を携行しているはず。服用させる。
F 手指足指のうちの薬指の指先には交感神経を興奮させることができる井穴というツボがあり、抹消血管を収縮させて、また心臓の拍出力を増加させ、血圧を上昇させ、気管支を拡張させるので、症状の改善を期待することができる。指先をマッサージすると良い。
G 四肢を冷却。 低血圧や脈が触れない、など循環血液量の不足が疑われたら、脚や腕を氷水や、そうできなければ流水で短時間刺激する。毛細血管を収縮させて心臓への還流血を増加させるため。但し、いつまでもやっていると血液の温度が下がるため、低体温症を招きかねない。 私はこれまで、四肢の冷却法だけで意識不明となった患者さん2人を覚醒させたことがある。アルコールを掛けて刺激するという方法もある。
H 気管支拡張剤(ネブライザー)を吸入。 喘息と診断されている患者さんは携行吸入器を常に身に付けておくほうが良い。
I 搬送。必ず二人以上で搬送する。運転しながら患者さんの面倒は見られない。
J 心停止、呼吸停止が来た場合は、救急蘇生(ABC)が必要。これについては別の機会に譲る。
K 再悪化に注意。 一旦快方に向かったと思われる場合でも再び悪化することがある。これも私は体験しています。すっかり普段どおりに回復したと思われても最低でも12時間、念を入れるなら24時間は安静・看視が必要。24時間以上たってから胸を撫で下ろすこと。
@〜Kの順序は厳密なものではない。出来る事から始める。
備忘録:以下に、あなあなたの諸注意などを書き入れて携帯してください。
1.救急連絡:
2.救急車:
3.当番病院:
4.緊急連絡電話:
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