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黄砂でぜんそく、花粉症悪化? 汚染物質原因か

2009年03月21日

 黄砂現象の日にぜんそくや花粉症特有の症状が重くなると感じたことはないだろうか。今年は二月十一日の初飛来以降、鳥取県内で黄砂を観測した日数は二十日現在ですでに九日。鳥取市内の耳鼻咽喉(いんこう)科医院などによると、花粉症の症状を訴える患者が例年より多いという。黄砂とアレルギー症状の因果関係について、研究が進んでいる。

黄砂でかすむ鳥取市街地。黄砂が舞う日、ぜんそくや花粉症に悩む人は一層注意する必要がありそうだ=2月21日

 鳥取大学医学部付属病院呼吸器内科の渡部仁成助教(37)は「黄砂が飛散した日はぜんそく患者が症状悪化を訴える」と指摘する。三年前から実施しているぜんそく患者に対する聞き取り調査で判明したという。

 調査結果では、黄砂が飛散すると、患者は息苦しさとせきの回数が増える上、ぜんそくの症状にはない目のかゆみ、鼻水、のどのイガイガ感を訴えるようになった。黄砂と花粉の両方が飛散した場合は、悪化を訴える患者数がさらに増えたという。

 渡部助教は「黄砂の何がぜんそくを悪化させるかは解明されておらず、直接原因と言い切るのは難しいが、調査結果では黄砂の発生時期と症状の悪化が一致する」と話す。

 黄砂と花粉症や気管支ぜんそくなどのアレルギー症状悪化の研究をまとめた大分県立看護科学大学(大分市)の市瀬孝道教授(55)によると、黄砂の成分の60%を占める二酸化ケイ素が症状悪化に働くという。

 さらに、黄砂には表面にカビなどの微生物やすすなどの大気汚染物質が付着。黄砂の表面を焼いて付着物を除去した場合と付着物があるままの場合で比較したところ、付着物がある方を吸い込んだときに花粉症の症状がより重くなったという。

 市瀬教授は「花粉一個が三十−四十ミクロンの大きさに対し、黄砂は四−六ミクロンと非常に小さい。吸い込んだとき肺に入りやすいので、マスクを着用して侵入を防いでほしい」と話している。



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