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【主張】AIGボーナス 金融安定が最優先課題だ 

2009.3.21 02:27
このニュースのトピックス主張

 公的資本注入で破綻(はたん)を免れながら幹部らに高額のボーナスを支払ったアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)への批判が米国で強まっている。下院は政府の救済を受けた金融機関のボーナスに90%課税する異例の法案を緊急可決した。

 AIGは昨年9月以来、計4回にわたって公的支援を受けた。資本注入にさえ批判が強いのにボーナスを受け取ったのがAIGの経営悪化の原因をつくった当事者らとされる。オバマ大統領も「あらゆる法的手段を講じる」とこれを許容しない姿勢を示した。

 批判の嵐は当分収まりそうにない。だが、重要なのはこの問題で金融市場が動揺することがあってはならないことだ。金融不安が世界に拡散しかねない状況を防ぎ、金融システムを安定化させることが最優先されるべきだ。

 今回の問題の根底には、緊急対応の名の下に公的資金を使って経済の国家管理を強めているオバマ政権に対する経済界や保守派の懸念がある。今回のボーナス課税法案にも「特定の民間契約に政府が介入するのは憲法違反」と反対した議員らが少なくなかった。

 オバマ政権はボーナス支払いの連絡をAIG側から事前に受けていたにもかかわらず、対応を怠ったと批判を浴びた。オバマ大統領は「すべての責任は私にある」と語り、財務長官らを擁護した。

 この問題は米国自身が解決することだ。ボーナス支給と金融システムの問題は分けて考えねばならない。米政府がAIG救済に踏み切った最大の要因は、金融機関の融資先企業が破綻したらAIGがその融資の穴埋めを肩代わりするなどと約束した金融商品を世界中に売っていたことにある。

 もしもAIGが破綻して不良債権の穴埋めをしてくれるところがなくなったら、パニック的な金融不安の拡大が懸念される。米政府はそうした事態を回避するために、AIGに公的資金を投入したことを忘れてはならない。

 公的資本注入で米政府はAIGの大株主になった。AIGに投入された公的資金がどのように使われたかという情報を国民にきちんと開示する義務がある。

 今後ボーナスの返還が焦点となるが、オバマ政権も政府管理下で再建中のAIGも、金融システムの安定という国際社会への責任をきちんと果たしてほしい。

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