春の彩りが増す中、瀬戸大橋など本州四国連絡道路で二十日、休日の通行料金大幅値下げがスタートした。二十八日からは地方圏の一般高速道路でも実施される。
季節感や負担の軽減が「不況の風に縮こまらずに外へ」と誘う。さて、どこへ出かけようか。あらためて日本の観光資源の多彩さを実感させられる。
この豊富な各地の魅力を海外に伝えようと、観光庁は新たに国・地域別の「お薦めエリア」を設定して自治体や旅行会社と誘客に乗り出す。日本を訪れる観光客が多い十二カ国・地域が対象で、好みや交通の便などを加味して選ぶ。
例えば、韓国の独身OLには北海道や九州などの自然や温泉。台湾には関心が高い瀬戸内海や、近い南九州を薦めるといった具合だ。訪日外国人旅行者は七割方が三大都市圏に集中。しかも、世界的な景気の低迷や円高などで昨年夏以降急減している。
近年、定番とは違う日本の魅力に触れたいとの要望が増えつつあるという。その流れを地方へ導きたい。各地域が特色を生かし、いかに海外の目を引きつけるか腕の見せどころだ。
とりわけ私たちが住む地域は自然景観や味覚、歴史文化、産業など豊富な資源に恵まれている。自治体や住民が一体となって注ぐ情熱や創意工夫は、地域の再発見にもつながろう。