京大正門近くにテントを張り、ストライキを続ける非常勤職員の井上昌哉さん(手前右)と小川恭平さん(同左)=8日、京都市左京区
京大は05年、原則1年契約を繰り返す非常勤職員の就業規則を改定。同年4月以降に採用した人の雇用期間を最長5年と定めた。現在いる約2600人の非常勤職員のうち、「5年期限つき」の該当者は約半数を占める。10年度以降、期限切れで失職する職員がでてくる。
背景に挙げられるのが、04年の大学法人化。国からの運営費が削られる流れをふまえ、長期雇用による人件費の固定化を防ぐのが理由の一つ、と大学側は説明する。
ストとは別に、京大職員組合も「5年雇い止め」規定の撤廃を掲げて交渉を重ね、3月には約2千人分の署名を提出した。同職組は「倫理性を求められる教育機関が失業者をつくるのか」と批判。仕事が常勤職員と変わらぬ人も多いとして、教育・研究活動への影響も懸念する。
ただ京大側の姿勢は硬い。「非常勤職員には補助的な業務をしてもらっており、(5年雇い止めでも)運用の仕方で支障はないと考えている」(人事企画課)としている。