小沢一郎の秘書逮捕をめぐって報道はやれ国策捜査だ何だと騒がしいですが、個人的には「まだ小沢と民主党に甘すぎだろ！」という感じです。他にも「山岡賢次の不透明資金・論文盗用」とか「岩國哲人の秘書給与流用」とか疑惑だらけなのにマスコミの追及はないも同然だし。

たとえば民主党のマニフェストに「公共事業受注企業からの献金禁止」があった（現在はない）というのも、もっと問題視されるべき話のはずです。
【新報道２００１】西松事件で激論（８日放送）
　−−民主党は平成１５年のマニフェストで公共事業受注企業からの政治献金全面禁止を訴えているが

　細野氏「批判は承るが、チェックする仕組みがないのも事実だ。仕組みそのものを作るところまでなかなか行けていない」

よりによってモナ男こと細野豪志かよ（失笑
いつもマニフェストマニフェスト言ってる北川正恭とか、朝ズバ！にでてる毎日新聞のチョビ髭野郎はどうしたんだ？　またぞろ「政権獲ったら本気出す」詐欺ですか？

そして、普通こういう事件が起きたら「小沢一郎にまつわる過去の疑惑」がリストアップされるのが常じゃないですか？　閣僚の失言とか発言の「ぶれ」とかではお馴染みなのに今回はなぜか見当たりません。じゃあお節介にも（笑）紹介してみましょう、というのが今回の執筆動機です。
＃もっとも疑惑が多すぎてとても全部は網羅できない罠ｗ

H1.2.9 朝日H1.2.10 朝日最初はリクルート事件から。…といってもいきなり話の腰を折ってしまいますが、小沢はあまりリクルート事件には関わってないんですね。
この前の江副浩正逮捕20周年記念エントリで紹介した田原総一朗の本では、当時の自民党の有力者が軒並みリクルート汚染で沈んだ中で相対的に傷の浅かった小沢がその後のしていったというようなことが書かれていて、多分実際そうなのでしょう。

ただそんな中、新聞縮刷版をめくっていてちょっと気になる記事があって、
小沢氏秘書が役員　リクルート関連会社　監査役、昨年末まで（平成元年2月9日 朝日）
小沢一郎官房副長官の筆頭秘書、中条武彦氏がリクルート関連の不動産会社の監査役に就いていたことが九日明らかになった。中条秘書は昨年暮れ監査役を辞任している。九日昼、同氏はこの事実を認め、「会社がリクルートと関係があることは知っていたが、仕事は何もしなかった」と話した。
中条氏は、昭和四十四年に小沢氏が初当選して以来の筆頭秘書だが、不動産会社「エヌ・エフ・ケー」（本社・東京都港区新橋一丁目）の監査役を六十二年十一月から昨年十二月まで務めていた。〔中略〕
中条氏は、この会社から手取りで月額二十四万円の役員報酬をもらっていた。リクルート疑惑が拡大した昨年十月末ごろ、「一身上の都合」で退任を申し出、昨年十二月二十一日付で退任した。

今回と同じ筆頭秘書にまつわる疑惑です。このときは翌日の同紙に「小沢氏秘書が役員の会社　土地転しに多額融資」という記事が載っただけで終わってしまったようですが、まあこれだけでは違法というわけではないのでしょうね。

それにしても小沢一郎の初代の筆頭秘書ってどんな人だったのだろう、と検索してみましたがほとんど情報がない。ひとつだけ気になる記載がありました。
灰色の黒衣 〜 政治家の秘書たち 〜 　 - Awa Library Report
♀宮内 □□　農水相秘書官（寛）の妻 1952‥‥ 東京　　　20030329　51 ／自殺、遺書未確認
／20030331大島理森農相（56）辞任会見「深く悲しい出来事が起きた」
　
　中条 武彦　官房副長官元秘書　　　 1931‥‥ 東京　　　19931229　62 ／
／1230葬儀委員長＝小沢 一郎「先ごろ私の中で大きなウェートを占めていた目白の（田中）
先生を失い、今また“チュウさん”を失い、私もこの世界から足を洗いたくなるような気がする」
／同日、元私設秘書（46）のゼネコン介入疑惑発覚
　
　青木 伊平　竹下 登の首相秘書　　　19301209 島根 東京 19890426　58 ／首吊自殺0425竹下内閣退陣／リクルート疑惑 19890424　

1993年に亡くなったらしい。この年の6月に小沢は新生党を結成、7月の総選挙で自民党が敗北して非自民連立の細川政権が成立させています。
他方で意に沿わぬ報道をされたとして記者会見を拒否するなどということもありました。

ところで上の記載、自殺であったり不慮の死を遂げた（元）秘書という括りだと思うのですが、中条氏だけそこが空欄なのが気になるところです。
あと「元私設秘書（46）のゼネコン介入疑惑」も裏が取れなくてモヤモヤ感が残ります。

「小沢王国」岩手とリクルートといえば安比高原ですが、リクルートが頼りにしたのは農林族の加藤六月であって小沢ではありませんでした。残念。
衆議院会議録情報　第１１３回国会　税制問題等に関する調査特別委員会　第２号
　そこで、これはここに御本人がおられるので大変申しわけないのでございますけれども、加藤前農林水産大臣が六十二年の二月二十八日、安比の高原スキー場にわざわざヘリコプターで＿＿六十二年の二月二十八日。やはり証人で出てきてもらうとすぐやれるのです、一間一答で。今これ実例ですよ。やはり来てもらうと、私が間違ったと思って訂正をしてくれたわけだから。同じだ、間違ってなかった。だから、やはりちゃんと証人で来てもらえると非常にいいんですよ。
　そこで、安比の高原スキー場にわざわざヘリコプターで林野庁の職員も含めて八名で視察に行かれた、こういうのですよ。
　ところが六十一年の十月三十一日に、江副氏から譲り受けた株を、これは次女の周子さん、秘書の片山君だそうですが、十月三十一日に売却をして、十一月五日に約六千四百万円の利益が口座に入っている。六十一年の暮れにその六千数百万円のリクルートからの利益が入って、六十二年の二月に安比高原地区に現職の農林水産大臣として視察に行かれたわけです。しかもこの江副氏は、土地対策検討委員会でも、国有林の開放あるいは売却、そういうことを絶えず主張しているわけです。

その後の小沢とリ社の接点といえばやはり、当ブログで何度か取り上げているこの人物になります。
民主党スレッド
岩手の政脈小沢一郎編��王国完成
http://mytown.asahi.com/iwate/news02.asp?kiji=5750
　９４年１２月１０日。反自民勢力を結集を狙った新進党が発足した。小沢一郎は幹事長に就任。「自社さ」政権の打倒を目指していた−−。

　そのころ県内では、翌年に控えた知事選の候補者選びが大詰めを迎えていた。

　現職の工藤巌が引退。小沢が会長を務め、新進党への参加を決めた政党の県内組織でつくる「新党協議会」は、社会党との統一候補協議が不調に終わった直後の１１月末、元参院議員増田盛の三男で、建設省紛争調整官の増田寛也を立てることを決めた。

　擁立発表の翌日、小沢は突如として地元入りする。県農協五連など盛岡市内にある業界１０団体を訪ね、増田の推薦を要請しながら笑顔を振りまいた。
〔中略〕
　増田陣営の原動力は、県建設産業政治連盟と、旧２区の小沢後援会。旧１区では、会長高塚猛ら経済人を集めた小沢支援組織「欅（けやき）の会」だった。

　元知事千田正の秘書を務め、小沢が自民党幹事長時代に盛岡事務所を開設した卓地信也は「小沢さんを支えるための会が、集票組織として回転した」と振り返る。

　小沢新進党が、連立を組む自社両党を凌駕（りょうが）する流れは、同年７月の参院選、８月の盛岡市長選に引き継がれる。

　自民の地盤の旧１区、岩手郡出身の元副知事高橋令則を担ぎ出し、増田の支援も得て自社統一候補に１０万票以上の大差をつけ圧勝した。

　同市長選でもは前助役の桑島博が、やはり自社統一候補を破った。

　こうして、名実共に岩手の「小沢王国」が完成した。

高塚猛（リクルート→盛岡グランドホテル総支配人→福岡ダイエーホークス代表→ダイヤモンド社社長→ダイエー時代のセクハラで逮捕、有罪）
もっぱら高塚個人との関係でリクルートとはつながらないんですかね？　同社は岩手観光ホテルと安比総合開発を統合したうえで2003年に岩手ホテルアンドリゾートを加森観光に譲渡しています。

高塚は現在、盛岡にある真珠苑という飲食店などを経営する会社の会長だそうです。きっと小沢の“錬金術”なんかにも詳しいのでは？　何せ「一時、岩手を地盤に民主党から政界進出の話も出ていた」というぐらいですから。

誰か取材に行ったらいかがでしょう。ダイヤモンドつながりで上杉隆とかどうよ？と思ったら捏造報道疑惑でそれどころじゃないみたいで。
上杉氏の「アレ」な記事に関する続報
この書き入れ時に何やってんすか（呆
＜3/20 更新＞＜次回に続く＞
これでリクルートと次回に登場する鹿島が結びつけばネタ的には面白いんですが、他のゼネコンと比べて特別に親密というわけではなさそうです。
ホテル安比グランドが鹿島施工というぐらいですかね。

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