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中広が初防衛、KOできず「ダメ」

 9回、右フックを叩き込む中広(右)=広島県立総合体育館
 9回、右フックを叩き込む中広(右)=広島県立総合体育館

 ボクシングの日本スーパーフライ級タイトルマッチ10回戦は19日、広島県立総合体育館で行われ、チャンピオンの中広大悟(広島三栄)が、挑戦者の三枝健二(新開)を3-0の判定で下し、初防衛に成功した。広島県内のジムに所属する選手では初めて防衛を果たした選手となった。中広は1回にダウンを奪うと、終始相手を圧倒。次戦では故郷・三次(日時未定)で防衛戦を行う予定だ。

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 「勝者・中広」のコールに、会場の地元ファンがわいた瞬間だった。中広は首を横に振って、ニコリともしなかった。「きょうは自分の力が出せなかった。あんなものじゃない」。出るのは反省の弁ばかりだった。

 故郷・三次で2度目の防衛戦を行うためにも、負けるわけにはいかなかった。1回には終了間際に左フックからダウンを奪った。その後も左右をボディーに決めながら、ポイントを稼いだ。3-0の判定で挑戦者の三枝を圧倒したが、納得のいくボクシングができなかった。

 実は1週間前に左手親指を突き指した。その影響で、目標としていたKO勝ちを決められなかった。「これではダメ。一からやり直しです」。県内のジム所属選手として初めて防衛を果たしながら、表情はさえないままだった。

 会場には故郷・三次から200人が応援にやってきた。“中広”の文字が入ったTシャツを着て、会場は緑色に染まった。2度目の防衛戦は三次で行うことが予定されている。「三次の分は今から話を詰めていきたい」と新谷会長は中広の夢をサポートしていく。

 中広はWBC世界スーパーフライ級3位に位置しながら、世界挑戦について「今は全然考えていない」と言い切る。故郷での防衛戦をすっきり勝ってから、次のステップへ進む。

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