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   中学生職業体験/貴重な活動、一層の充実を(3月20日付)

 福島市教委が市内の中学2年生を対象に行っている職業体験「地域に学ぶ中学生活動事業」の2008年度総括がまとまった。それによると、参加した中学生の多くは活動が有意義で、後輩たちにも貴重な体験をさせてほしいと考えていることが分かった。

 地域経済は不況で、職業を取り巻く環境は厳しさが募る一途だ。5日間の職業体験は受け入れ事業所にとって負担感もあるだろう。しかし、地域の人々との触れ合いを通して、地域に学び、地域の人々と共に、地域を誇りに思う気持ちや感謝する心などの人間性、社会性を身につけた生徒を育てる意味からも非常に有意義だ。09年度も継続することが決まっているが、生徒、学校、保護者、事業所が一体となってさらに実りあるものに発展させたい。

 中学生の職業体験は兵庫県教委が1998年度、初めて実施した。きっかけとなったのは前年の97年、神戸市で男子小学生が、当時14歳の中学生に殺害された事件だ。同県教委は心の教育が足りなかったとして、同県内のすべての公立中学校で、職業体験を通じて共に生きる心や感謝の気持ちをはぐくみ、自立性を高める―を狙いとした「地域に学ぶトライやる・ウイーク」を導入した。

 福島市教委は兵庫県の取り組みを研究して、01年度から総合学習の時間を利用して体験活動を開始し、先駆的な取り組みとして06年度、キャリア教育文部科学大臣表彰を受賞した。


 08年度は飯野町との合併により新たに飯野中を加えた全市立中学21校、2836人が参加し、夏休み期間を除いた6月下旬から9月中旬まで、前年より62カ所多い延べ933の事業所で職業体験を積んだ。参加率は前年と同じ98%だった。


 まとめのアンケートによると、生徒の86%はほぼ希望通りの体験で、96%は積極的に取り組んだと答え、97%が有意義だった、としている。さらに97%の生徒が翌年も行うべきだ、と答えるなど、活動の意義を高く評価していることが分かる。


 保護者も97%が「また参加させたい」、97%が「継続してほしい」と回答し、職業体験は子どもの成長に必要と受け止めていることをうかがわせている。


 受け入れ先は87%が「生徒は積極的にかかわった」、91%が「事業は継続したほうがよい」、98%が「来年度も協力したい」と答えるなど、事業所の理解と協力態勢が定着したことを反映させている。


 教職員も大部分が事業の趣旨を理解しているが、「継続しなくてもよい」との回答が年を追うごとに増加し、08年度は13%となった。マンネリに陥らないような工夫が必要だ。

 
   
 

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