中川元大臣と同席していた美人記者?
もうろう状態で記者会見して、世界中に恥をさらした中川前財務大臣の一件は、本人の辞任で一応、決着がついたようだが、今回の報道で、少し気になったことがある。問題の会見の前にあった昼食の席に、実は女性記者ふたりがが同席していたことがわかり、そのひとりが、“読売新聞の美人記者”と社名入りで報道されていたのである。件の記者は、東京本社の記者であるようで、直接面識はないから、果たして本当に美人なのかどうかはわからない。ただ、なぜ、わざわざ、同席していたのが女性記者であり、美人であったと書かなければならなかったのか。
政治家や財界人などとの会食の席に、記者が同席することは、珍しいことではない。むしろ、公式の場ではなかなか聞けない情報を、うまく聞きだして特ダネをつかむチャンスになるため、そのようなプライベートな席にも誘ってもらえる関係にしておくことは、記者の能力でもあり、男の記者なら、それだけ相手にくいこんでいる敏腕記者と評価されこそすれ、問題にされることはない。それを、あたかも、何か特別な関係があるかのように、わざわざ「美人記者」などと書くのは、男性のやっかみ半分のいやらしさでしかないような気がする。
最近は、各社とも、政治部や経済部に女性記者が増えている。かつては女性には不向きとされていたが、女性を配置したら目立つし、取材相手にもうけがいいということも多少あるかもしれない。そのこと自体は別に問題ではなく、後は、当の本人がどう対応するかであるから、会食の席に同席すること自体は何もとがめられることではない。ただ、今回の件で残念だったのは、あれだけ大きな問題になった以上、「何度も席を外していたので、(大臣が)お酒を飲むところは直接見ていない」などと、あいまいな証言でお茶を濁さず、自分も同席していたことをはっきりと認めた上で、実際に見聞きしたことを、ありのままに記事としてなぜ書かなかったのかということだ。
今回のことで、元同僚の後輩記者からも、こんな怒りのメールが届いた。
<私は、どうせバレるんだから、当の女性記者が最初から堂々と、「私も昼食に呼ばれて同席してました。ワイン何本空けました」とか、アッケラカンと証言すればよかったのではと思います。ヘンに隠すから、やましいことでもあるの?と思われちゃうし(多分ないでしょうが)、読売は当初えらく歯切れの悪い記事しか書けなかったのではないですか?>
まさか、ワイン何本もは空けへんやろと思わず突っ込みを入れながら、ジャーナリストとしてはこれがごく当たり前の考え方であることを確認できて少しほっとした。
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