【ソウル西脇真一】韓国国防省は19日、江原道鉄原郡の民間人立ち入り制限区域で18日夜、日本人男性1人を拘束したことを明らかにした。聯合ニュースによると男性は「北朝鮮に行こうとした」などと話しているが、精神的に不安定な状態という。在韓日本大使館によると男性は19日夕に釈放され、大使館に引き渡された。
韓国国防省によると男性は18日午後9時ごろ、北朝鮮との軍事境界線に近い制限区域内を1人で歩いていたところを警戒中の兵士に発見された。韓国当局はスパイなどの疑いはないと判断した模様。
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河村建夫官房長官は19日の記者会見で、日本人男性拘束の連絡が18日夜、韓国軍から在韓日本大使館を通じてあったことを明らかにした。身元については「本人の同意が得られていない」として公表せず、越境目的についても「全然分かっていない。取り調べ中のようだ」と述べた。
外務省によると、男性は日本のパスポートを所持しており、韓国当局が日本人と確認。北朝鮮のビザは所持していない。韓国在住ではなく日本から韓国に行き、北朝鮮に入ろうとしたらしい。
毎日新聞 2009年3月20日 東京朝刊