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急変:ダミー献金事件 小沢氏の選挙戦略狂う 秋田知事選「分裂」を容認

 ◇地方で勝って、衆院選に弾み

 公設第1秘書が政治資金規正法違反容疑で逮捕された民主党・小沢一郎代表の「地方の主要な選挙を与野党対決構図で勝ち、次期衆院選に弾みを付ける」との選挙戦略に狂いが生じている。小沢氏は18日、秋田県知事選(26日告示、4月12日投開票)で地元関係者の「直訴」を受け、野党勢力が事実上、分裂して選挙に臨むことを認めた。千葉県知事選(29日投開票)でも事件の影響に配慮して地元入りを見送っている。【野口武則、渡辺創】

 「(民主、社民、連合の)3者協力のテーブルを離脱したのは民主党の県連だ」。18日、民主党本部に小沢氏を訪問した連合秋田や社民党関係者が不満を訴えた。小沢氏は昼食も取らず約40分、耳を傾けた。

 秋田県知事選は、民主党県連と一部の自民県議が推す候補と、自民、社民両党県連と連合秋田が支援する候補が対決する「ねじれ」の構図だ。会談後、小沢氏は記者団に「県連から本部に連絡はない。地域の判断で戦う意向と推測している」と述べる一方で、「知事選は知事選として、次期衆院選では、政権交代に向け野党共闘は断固維持しようと完全に合意した」と強調した。

 小沢氏は今年1月の山形県知事選で、投開票日直前に野党系候補応援で現地入りした。結果は与党系候補を降しての勝利で「政権をチェンジさせたいという思いが表れた」(鳩山由紀夫幹事長)と勢いがついた。だが、千葉、秋田と続く県知事選では、このような展開は望めそうにない。

 「千葉県知事選の応援を(新党日本代表の)田中康夫(参院議員)に頼んだ。君の言うことは聞くから、君も応援に入ってくれ」。小沢氏は17日、党本部で鳩山幹事長に依頼した。同日激励に訪れた議員にも千葉県知事選に言及して「どうしても勝たんといかんな。でも今行くわけにいかんだろうなあ」と漏らした。

 党内には、「知事選で負けたら小沢氏は辞任すべきだ」との声もある。勝たねばとの思いは強いが、事件の影響に配慮しなければならない、歯がゆさが垣間見える。

毎日新聞 2009年3月19日 東京朝刊

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