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ビジネス的にはヤバくても......ナゼかオモロいAMラジオの実情

ビジネス的にはヤバくても......ナゼかオモロいAMラジオの実情
 今、ラジオが二重の意味で「ヤバい」。ひとつは、広告収入激減といったビジネス面でのヤバさ。しかし、その一方では、「今、ラジオがアツい」といった声もチラホラ聞こえ、なんだか面白いことになっているのでは? という意味でのヤバさ。

 今回はあえてAMラジオに的を絞り、その二面性の実態を調査すべく、業界人たちに徹底取材を敢行!

 * * *

「今日の放送で番組が終わります」──2月15日正午、文化放送の『キンキンのサンデー・ラジオ』の開始直後、パーソナリティの愛川欽也が、突然、番組の終了を宣言する"事件"が発生。愛川いわく、昨年末のメインスポンサーの撤退を受け、自身もスポンサー探しに奔走したものの、力及ばず。3月末での放送終了が決まったが、残り1カ月半「お通夜みたいな番組」を続けたくないとして、番組改編期でもなんでもない同日、突如、自身の判断で降板に踏み切った、という。この騒動の直前には、同番組の裏番組『バックグラウンド・ミュージック』(TBSラジオ)が、3月末で、1964年以来の歴史に幕を閉じることを発表。しかも、パーソナリティ・若山弦三も、愛川同様「スポンサーが降りたこと」を終了の理由に挙げた。また、28年続いた小堺一機と関根勤の『コサキンDEワァオ!』(TBSラジオ)も3月で終了が決定していた。

 長寿番組の終了が相次ぐなか、愛川が衝撃の告白をしたことがダメ押しとなり、以来、テレビや新聞などの報道では「ラジオ不況」を危惧する声が大きくなった印象を受ける。

 しかし、景気が悪いのは、もちろんラジオ業界に限った話ではない。

 電通が2月下旬に発表した「2008年の日本の広告費」によると、新聞は前年比85.7%、雑誌88.9%、テレビ95.6%、そしてラジオ92.7%と、いわゆる主要マスコミ4媒体の広告費は軒並み減少している。ここ10年の推移を見ると、他媒体に比べてラジオの広告費だけが、致命的に落ち込んでいるわけではない。日本民間放送連盟「2009年度のテレビ、ラジオ営業収入見通し」(1月発表)に目を転じてみても、ラジオ、テレビともに来年度は6〜8%の収入減が見込まれている。

 にもかかわらず、ラジオが"悪目立ち"しているのは、なぜなのか? 文化放送編成局の千吉良直紀氏は「ラジオ業界の実態が、世間に知られていないことが原因ではないか」と分析する。

「ラジオは、パーソナリティと構成作家、音響技術者、ディレクター、最低4人がスタジオにいれば放送できるため、同じ電波事業でも、テレビに比べて制作費は圧倒的に安いんです。しかも、出演者のご厚意もあって、ギャラも低い。スポンサーが降りても、どうにか番組を続けられちゃうんですよ(笑)。実際、とりあえずノンスポンサー状態で放送を続けつつ、広告主を探すなんて番組も少なくありません」

 つまり、「カネのないラジオにとって、スポンサー減少は大問題だろう」という先入観がある他メディアや世間は騒ぎ立てているが、ラジオ業界内の人間にとってスポンサー問題は、周囲が想像するほどには大きな問題ではない、ということだ。

 2月17日、同局・三木明博社長も、定例会見の席上で、スポンサーを呼べなかったことを愛川に謝罪したが、「スポンサーうんぬんがすべての原因ではない」と発言。06年4月にスタートした『キンキンのサンデー・ラジオ』は、長年ラジオで活躍している人気パーソナリティの愛川を起用したこともあり、聴取率獲得に大きな期待を寄せていたが、その期待値を上回れなかったことなども番組終了の原因だとしている。

 愛川と文化放送との間に生まれてしまった軋轢の正体は不明だが、スポンサー撤退という側面だけを捉えて"ラジオの危機"を叫ぶのは早計のようだ。


●下落し続ける広告収入 新たな収益モデルを模索


 とはいえ、00年以降、広告費が常に下落し続けているのは確かなのだ。千吉良氏も「ここ数年、不動産業者のようなビッグスポンサーの出稿が、明らかに減った」と、広告不況を実感している。いくら「提供ナシ」でも放送可能とはいえ、無収入はさすがに心許ない。そこで各局では新たな収入源確保のための対策を始めているようだ。

「文化放送では、数年前から消費者金融のCMを解禁しました。また、法律事務所など、新しいクライアントにも積極的に営業をかけています」(文化放送広報・橋本庸介氏)

 それに加え、広告料は据え置きのまま、以前よりも番組中のCM本数を増やすといった値引き交渉をすることもあるという。そのほか、自社のイベントスペースで落語会を開き、その模様を録音した音声データをダウンロード販売するなど、広告収入以外の売り上げを獲得する手立ても模索している。最近話題のインターネットを利用した音声配信も、課題のひとつだ。

 現在、全国のラジオ局では、放送終了後、番組をネット経由で再配信するポッドキャストサービスを提供中だ。また、在京・在阪局の一部では、来年の本格実施を目指して、インターネットや対応ケータイなどで番組を聴けるデジタルラジオ放送局を開設している。文化放送では、地上波放送を同時放送する「文化放送プラス」、ワールドミュージック専門局「UNIQue the RADIO」、アニメ・ゲーム情報の専門局「超A&G+」の3局を持っている。若者を中心にラジオ離れが進むなか、ラジオ端末がなくても番組を聴ける仕組み作りを進めているのだ。

 しかし、ポッドキャストで配信されるのは、基本的にCMや音楽を含まない番組のトーク部分のみ。現状では「番組紹介用」の無料コンテンツとしての色が強く、広告収入といった収益構造は確立されていない。

「ポッドキャスト以外の新たな展開であるデジタルラジオについては、現在、聴取率調査の対象ではないため、広告効果の測定が難しく、CM枠を販売しにくい面があります。『超A&G+』では、ネットゲーム事業者とのタイアップ番組なども制作していますが、さらに新しいビジネスモデルは必要になるでしょうね」(橋本氏)

 テレビやラジオ、ネットのコンテンツ制作・流通関係者を取材した『コンテンツ・フューチャー』(翔泳社)などの著者・津田大介氏によると、タイアップ以外にも広告埋め込み型の番組制作手法はあるはずだという。

「例えば、『自動車メーカーから出資を受け、業界PRのためにクルマ情報番組を制作する』方法も考えられます。番組は特定のメーカーに寄り添わず、主体的に業界の面白い情報だけを伝え、スポンサーの名前も出さない。そのかわり1口あたりの出資額は通常の広告料より安くする。広告の世界ではタブー視されている同業複数社からの同時出資を受けられる可能性もある。ステルスタイアップとも言えますが、制作側は決められた範囲内で面白い番組作りを追求できるメリットもある」と津田氏は分析する。


●限られたコストでもトークや企画で質を維持


 では、ラジオの聴取率という面では、どうなのだろうか? 全体的には下落基調にあるというが、その半面、10年以上続く番組も数多いことからわかるとおり、ラジオには熱心なファンを獲得しやすい性格がある。

「音楽業界では所属アーティストのファンクラブをケータイの公式サイトで運営し、中には月額300円で数十万人の会員を抱えるところもあります。彼らのように毎月数千万円を稼ぐのは非現実的ですが、コアなリスナーを抱えている番組なら、数万人は集められなくても数千人なら現実的に集められる可能性はある。幸いラジオは制作費が安く、属人性が高いメディアなのでファンクラブが成立しやすい。コアリスナーにコミュニティ機能や番組アーカイブなどを提供すれば収益化の道も探れるはずです」(津田氏)

 世界恐慌の影響をモロに受けることになる今年、ラジオを取り巻く状況は一層厳しくなるだろう。デジタル化に伴う、産みの苦しみも味わうはずだ。しかし、クイズ番組の連発など、予算削減により明らかに内容がショボくなったテレビ業界とは違い、ラジオはパーソナリティのトーク力や企画力次第で、限られたコストの中でも、従来と遜色のない、いやそれ以上の番組を制作することだってできる。

 実際、新聞のラジオ欄を眺めてみると、過激でフランクな、いかにもラジオらしいトークを楽しめる『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』(ニッポン放送)のような番組もあれば、どう考えても誰も聞かない時間帯に殴り込みをかけ、多くの若者を取り込むことに成功した『文化系トークラジオLife』(TBS)のような新たな潮流も存在する。文化放送でも、10代男子の占拠率6割超を誇る『A&G超RADIO SHOW〜アニスパ!』や、放送時間中、女性リスナーから4,000通ものメールが殺到する関ジャニ∞の『レコメン!』のような、特定のターゲットのハートをガッチリ掴んだ番組が数多く放送されている。

 不況、不況と嘆くなかれ。そう簡単にラジオは死なないのだ!
(文=成松哲/「サイゾー」4月号より)



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