坂田記念ジャーナリズム振興財団(理事長=川島慶雄・大阪大名誉教授)は19日、関西を拠点にした優れた報道に贈る第16回坂田記念ジャーナリズム賞の受賞者を発表した。第1部門(スクープ・企画報道)新聞の部で、毎日新聞大阪本社社会部の「無保険の子ども」取材班(代表=戸田栄・社会部副部長)の救済キャンペーンが受賞した。
取材班は、親が国民健康保険料を滞納し保険証を返還させられ医療費全額自己負担が必要となった子どもの救済を訴え、厚生労働省などが放置している実態を批判。この結果、国保法が改正され、3万3000人を超える義務教育以下の無保険の子どもに09年4月から保険証が交付される。選考委員会は「ジャーナリズムの使命の一つが果たされた」と評価した。他の受賞は次の通り。
<第1部門新聞の部>神戸新聞社取材班=長期連載「あなたの愛の手を」と関連企画記事<同放送の部>関西テレビ取材班=ドキュメンタリー「戦世(いくさゆ)を生きて-関西ウチナーンチュ・最後の証言」<第2部門(国際交流・貢献)新聞の部>篠田丈晴・産経新聞大阪本社文化部記者=「海峡を越えて-埋もれた日韓歌謡史」<同放送の部>堀川雅子・読売テレビ報道局ディレクター=NNNドキュメント’08「あとりえ~“枠”を飛び出す鬼才アーティストたち~」<特別賞>三重テレビ「ハンセン病と戦争」取材班=「いのちの“格差”」▽奥田雅治・毎日放送報道局番組センターディレクター=映像’08「息子は、工場で死んだ-急増する非正規労働者の労災事故」
毎日新聞 2009年3月20日 東京朝刊