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【ドラニュース】

和田けが注意報 “特殊”な広島新球場

2009年3月20日 紙面から

 中日は19日、今年から広島の本拠地となるマツダスタジアムで練習を行った。4月10日の広島戦の前に練習可能な移動日がないことから広島側に要望して実現したもの。いまだ工事中とあって非公開だったが、練習後にトニ・ブランコ内野手(28)が場外弾を予告すれば、和田一浩外野手(36)は左翼部分にある金網を入念にチェックしたことを明かした。

 和田は初体験した新球場へ、“故障注意報”を発した。定位置・左翼のポール際にはグラウンドレベルから試合を観戦できる「砂かぶり席」が約15メートルの幅で用意されており、その部分だけフェンスが金網になっている。「あれはちょっと危ないですよ」と険しい表情で語った。

 ほとんどを守備に割いたこの日の練習で、和田はこの金網の感触を何度も確かめていた。最初に金網を手でゆさゆさと揺らすと、お次は軽く体当たり。体へのダメージ具合を入念に体感した。

 そうして導き出した結論が「危ない」。和田はさらに強調した。「金網で骨折した選手もいるくらいだから」。西武時代の01年6月20日、西武ドームで行われた近鉄戦。チームメートの平尾が一塁側ファウルゾーンの金網に右足のスパイクを引っかけ、足首をひねって骨折した事例があるのだ。

 左翼手ならば、フェンスとの接触プレーは避けられない。だからこそ故障の原因が少しでもそこにあるのが気になった。「かといって、足をかけて登れるようなものでもないし」と和田。笘篠外野守備走塁コーチも「(接触で)指とかを切る可能性もあります」と危険性を指摘した。

 フェンスには、打球のはね返り方にも特徴があった。笘篠コーチは「フェンスがラバーの部分でも金網でもほとんどはね返ってこない。フェンスまで達した時点で二塁打になるだろう」。つまり、クッションボールを「待つ」姿勢は通用しないということだ。

 狭い広島市民球場とは違って新球場は外野のカバーするエリアが格段に広くなる。笘篠コーチは「外野手の走力、肩の強さが大事になる」と強調。和田は「まあ、思ったほどやりにくくはなかったですよ」とニヤリ。金網フェンスの存在以上に、外野手としての“チャレンジ精神”に火が付いた。 (木村尚公)

 

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