日本人が知らない 恐るべき真実

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2006-07-14 研究メモ

アメリカを操るイスラエルロビー 10:05

今年の三月中旬、国際政治学の分野で名声を確立しているシカゴ大学地政学者ジョン・ミアシャイマー教授ハーバード大学ケネディー行政大学院の学部長スティーブン・ウォルト教授が、共同で『The Israel Lobby and U.S. Foreign Policy』(イスラエル圧力団体米国外交政策)という論文を発表しました。

少しでもイスラエルユダヤ人に対して批判的なことを言うと「反ユダヤ」のレッテルを貼られてしまう米国において、著名学者が真っ向から政府の親イスラエル政策を批判することは異例のことです。

内容は決して目新しいものではなく、事情に詳しい人なら当然知っていることなのですが、米国でのタブーを打ち破ったことは“快挙”と言ってもよいでしょう。ここでも彼らの武器が“お金”であることが明らかにされています。

ただ、予想通りというか、この論文は事実上の発禁処分になり、ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズウォール・ストリート・ジャーナルでは中味を紹介もせずに、一方的に激しく攻撃されているようです。

この論文ハーバード大学ウェブサイトからダウンロードできます。

http://ksgnotes1.harvard.edu/Research/wpaper.nsf/rwp/RWP06-011

全文は83ページもありますので、要約版ならば下記サイトで見ることができます。

http://www.lrb.co.uk/v28/n06/mear01_.html

以下、要点のみ簡単にまとめてみました。

・最近の数十年間、とりわけ1967年の6日戦争以後、米国中東政策の最重要課題はイスラエルとの関係であった。

イスラエルへのゆるぎない支持と“民主主義”を地域全体に広めようという努力は、アラブイスラムの世論を煽り、米国の安全のみならず他の多くの国々の安全まで損なった。

中東地域での米国の政策の要点は、ほとんどすべてがイスラエル圧力団体の活動に由来している。

イスラエルロビーは、米国イスラエル国益が本質的に同一であるとアメリカ国民に信じこませた。

アメリカイスラエル公共問題委員会(AIPAC)が、米国議会でのイスラエルロビーの核となっている。

・AIPACの成功は、国会議員議員候補者のうち、AIPACの政策を支持する者には“資金”を与え、反対する者にはその対立候補に“資金”を与えて、敵対者を懲らしめることができるという能力に起因する。

ユダヤ系住民は全体の3%未満の人口しかいないが、彼らは民主党共和党の両方の候補者に多額の選挙献金を行う。ワシントン・ポストは、かつて民主党大統領候補は選挙資金の60%をユダヤ系の支援者から得ていると推計した。

・AIPACは投書運動も行い、新聞の編集者が親イスラエル候補者を支持するように働きかける。

・AIPACが米国議会に圧力をかけた結果、議会では米国の対イスラエル政策が、たとえ全世界に重大な影響をおよぼす場合ですら議論されない。

イスラエルロビーのために、米国イスラエル占領地の拡張を可能にする元凶となってしまい、パレスチナ人に加えられている犯罪行為の共犯者となってしまった。

・こうした状況は民主主義を世界に広めるという米国政府の努力をムダにし、他国に人権を尊重するよう圧力をかける際、偽善者と見なされるようになった。

イスラエルが占領地の拡張やパレスチナ人への人権侵害をおこない、国連で問題になっても、イスラエルロビーホワイトハウス議会を牛耳っているため、イスラエルはあらゆる批判から免れている。

イラク攻撃を決定したのもイスラエルイスラエルロビーの圧力が唯一の原因ではないにしても、決定的であった。

・特に、イスラエル与党リクードと関係を有する“ネオコン”と呼ばれるブッシュ政権極右グループの影響が大きい。

・つぎに武力行使される可能性があるイランシリアについても同じパターンが見られる。

米国イスラエルに特待的な援助をしているが、イスラエルは忠実な同盟国として行動していない。

イスラエルロビーを介した米国内でのスパイ事件や、提供した軍事技術を第三国へ流出させている。

イスラエルを支持することは、反米テロリズムを激化させ、対テロ戦争への勝利を困難にしている。

イスラム原理主義は、イスラエルによるエルサレムの占拠と、パレスチナ人の苦境から、テロ活動に駆り立てられたのは疑問の余地がない。