Feb 14 2007

ファミコンで遊ぶ

Published by Mikio at 6:10 pm under Wii, ものづくり

筆者が初めて買ったゲーム機はPCエンジンであった。もちろん初代の白い奴だ。R-TYPEをやりすぎて会社を休んだことも今は昔だ(分割で取って残っていた夏休みをその日に振り替えただけだが…)。
その後はスーパーファミコン、PCエンジンDUO、プレイステーション、セガサターン、NINTENDOU64、PS2(の、ファイナルファンタジーIIXの途中)まで一通り遊んで来たのだが、なぜかファミコンのゲームは縁がなくてやったことがない。せいぜい友人宅に遊びに行ったときに、酒を飲みながらガヤガヤとよく分からないシューティングゲームをやったくらいだ。
思うにそこでファミコンに触れたので、自分でゲーム機を買うときはわざわざ違う物を選んだのかもしれない。当時はやけに平均年齢の高い会社に最年少社員として在籍していたうえ、近所にソフトを交換する友人が居たわけではないので特に不便はなかったのだろう。単にひねくれ者だっただけという可能性もあるが。

そんな筆者の所に、ひょんなコトからファミコンがやってきたのだ。
もちろん付属品のACアダプターやRFスイッチは欠品。強く揺らすと電源が勝手に落ちるというとんでもない代物だが、ファミコンには違いない。一般的にはジャンクとも言う…いやいや、ありがたく頂戴してきたのである。

ちなみに電源はスーパーファミコンのものや、よりマイナーだがヒューレットパッカードのハンドヘルドPC「HP200LX」用のACアダプターが使えるので心配はない。
問題はRFスイッチが無いことの方だ。PCエンジンもそうだったが、あの頃のテレビにはビデオ入力端子などという洒落たものが付いていなかったので、アンテナ線を使ってゲームの信号をテレビ(関東では2チャンネル)に流すのが主流だったのだ。そのためアンテナ線を流れる放送の信号と、ゲームの信号を自動で切り替えるRFスイッチが必要になるのだ。無ければ当然ゲームの画面を見ることはできない。さて、どうする!?

検索するとAV端子を増設する改造例を紹介したサイトをいくつか発見した。さすが全世界累計出荷台数約6291万台のベストセラー機だ。RFユニット(アンテナに入る信号を作る)の近くの基盤からビデオ信号と音声信号を引っ張り出すらしい。回路を組んだ本格的な物から、単に基盤からケーブルを引き出した物までいろいろある。ただし回路といっても小さなもので一見簡単そうだが、基盤にハンダごてを直接当てるので失敗のリスクを考えるとちょっと手が出ない。中古ゲーム屋にRFスイッチを探しに行くという手段もあるが、1000円の互換機の存在を知ってしまうと、最低予算&低リスクでなんとかしないと負けだ!と思えてしまうのだ。

そういった心持ちで、改めてファミコン本体を眺めてみる。

おや?RFの出力端子はよくあるピンジャック(又はRCAジャック、ピン端子)ではないか。
これならビデオの付属品で余ってるピンプラグのビデオケーブルが刺さるぞ。これをそのままビデオ入力に刺すのは論外だが、試しに反対側をミニプラグに変換して小型液晶テレビのアンテナジャックに差し込むと…おお!映る(笑
ならばアンテナ接続用のF型コネクターをくっつければ普通のテレビでも映るはず。信号の切り替えはアンテナ切り替え器(という物があるのです)で手動で行えばいいし、場合によっては使うときだけ差し替える手もある。またはあまり使ってないビデオデッキに接続して、AV変換器替わりにしてしまうというのも良い方法かもしれない。
ふむふむ。なんとか方向性が見えたかな。

では超簡単なDIYの結果は以下に紹介しておきましょう。
※同様な加工をするときは、くれぐれも自己責任でお願いします※

ピンプラグ
これはピンプラグ付きケーブルの単品だが、ビデオなどテレビに接続する機器を買うと必ずビデオケーブルが付いてくるので、使い切れずに余らしている家庭も多いことと思う。今回はコレをファミコンのRFケーブルに加工するのだ。

ケーブル芯剥き
もったいないという気持ちを振り切って、ペンチで片方のプラグを切り落とす。
ケーブルの被覆を剥ぐと、中には導線とそれに包まれた白いチューブが出てくる。その白チューブも中に導線が入っているので、同じく被覆を剥いで導線を出してよじっておく。

F型コネクター
アンテナ線をテレビやビデオに接続するF型コネクター。
100円ショップなどでも数個セットで売っています。今回は1個だけ使用。

コネクターの蓋開け
F型コネクターの蓋を開けたところ。
上のネジの部分に白いチューブの中の導線を固定し、下の広がった部分にケーブルごともう一方の導線をはさみ、ペンチでかしめて固定します。

コネクターに接続
ネジ止めの所はともかく、ビデオケーブルはアンテナ線に比べて細いので、かしめて固定する部分は何か詰め物をするなどして無理矢理でも固定しましょう。
このとき導線が固定する金属部分に確実に接触していることがポイント。

接続ケーブル
こりゃ短いですな。
これは撮影用に切り落とした方でカタチにしてみた物。ピンプラグをファミコンのRF出力に、F型コネクターをビデオのアンテナ入力に接続すれば完成。

ファミコン
無事に映ってますね。
我が家のテレビは2台のVHSデッキと1台のDVD-HDレコーダーに接続しているが、うち一番下のVHSにはアンテナが接続されていなかったので、ここをファミコン専用にすることで解決を見たのであった。目出度し目出度し。ただし接続の関係で、遊ぶときには2台のデッキの電源もONにしなくてはならない。ま、許容範囲だよね。

今回は手持ちの材料でなんとかなったので、追加投資は0円でした。

ちなみに動いているゲームは「ポートピア連続殺人事件」。
今では携帯電話のゲームにもなっている、ドラクエ堀井雄二の名作。
実はですねぇ、嫁がですねぇ、最後の迷路からどうしても出られずに諦めたというトラウマゲームなのです。この頃はセーブすることができず、もちろん復活の呪文もなく、スイッチを切れば一から出直しだったのですね。このソフトを中古ゲーム屋で見つけたのが、今回のプロジェクトの発端なのでありました。
今は専用機としてファミコンは常に稼働状態になっております。

2 Responses to “ファミコンで遊ぶ”

  1. on 14 Mar 2009 at 9:48 am

    初めまして。
    SFスイッチが欠品していたので、参考になりました。
    これから私もスイッチを作ってみようと思います。

    追伸
    私も、小学生時代にプレイした「ポートピア連続殺人事件」の迷路で出られなくなりました。(最後の方だったとは、知りませんでした(>_<))
    奥さんに、親近感が…(*ノノ)

  2. Akkion 15 Mar 2009 at 2:46 pm

    蛍さん、コメントありがとうございます。
    お役にたててなによりです。

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