2009年3月19日18時17分
民主党は19日、野党多数の参院で審議中の09年度予算案と関連法案を月内に採決し、政府・与党が求める「年度内成立」を認める方針を決めた。予算の早期執行による経済対策への配慮が理由だが、小沢代表の秘書が逮捕された西松建設の違法献金事件への対応に追われ、攻勢に出にくい事情もある。
民主党の山岡賢次国会対策委員長は19日の代議士会で「国民生活に直接かかわる予算も含む」として、年度内採決の容認を表明。昨年はガソリン税の暫定税率延長に反対し予算関連法案の審議を4月末まで引き延ばしたが、輿石東参院議員会長は19日の会見で「今年は頑張ったら結果が出るという話じゃない」と述べ、抵抗の目玉となる法案がないことを強調した。
ただ、軟化には違法献金事件もからむ。秘書逮捕の3日以降、進退も問われる小沢氏と、鳩山由紀夫幹事長、菅直人、輿石両代表代行らが国会対応などを協議する「三役懇」はめっきり減った。司令塔の動きが鈍く、09年度補正予算案が提出される4月以降に向けた議論は進まない。(本田修一)