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【栃木】

『県警は被害者守って』 リンチ殺人遺族が会見 墓前に上告棄却わびる

2009年3月18日

会見に先立ち墓前に祈りをささげる須藤光男さん=大田原市で

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 上三川町で一九九九年に起きた会社員須藤正和さん=当時(19)=のリンチ殺人事件をめぐり、捜査ミスがあったとして父光男さん(58)らが県(県警)などに損害賠償を求めた上告審が棄却されたことを受け、光男さんと弁護団が十七日、県庁で会見した。光男さんは県警に対し「一件でも多くの相談を聞き入れ、被害者を守る組織に変わってほしい」と語った。

 上告棄却に「納得いかない」としながらも、高裁判決で一部とはいえ県側の責任が認められたのは「やってきたことの足跡を残すことができた」と述べた。

 光男さんは訴訟で、再三の捜査要請に県警が応じなかったことが事件の発端になったと指摘してきた。「県警は事件を受けて相談受け入れ態勢を改善していると聞くが、形だけでなく中身から変わってほしい」とあらためて訴えた。

 会見に先立ち、大田原市内の自宅近くにある正和さんの墓前に棄却の結果をわびた。今後について「これで終わりじゃない。今回の経験を生かして多くの犯罪被害者の手助けをしたい」と語った。

  (宇田薫)

 

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