都立八王子小児病院(八王子市)など3病院を統廃合し、高度な小児医療提供を目指す「小児総合医療センター」(仮称)を開設する計画を受け、地元住民団体や病院関係者など約600人が18日、都庁周辺でデモ行進や座り込みをして統廃合反対を訴えた。
統廃合されるのは▽八王子小児病院▽清瀬小児病院(清瀬市)▽梅ケ丘病院(世田谷区)の3病院で、都は来年3月のセンター開設を目指し、今定例会に条例改正案を提出している。
反対する住民らは「小児科医が少ない地域なのに、統廃合されれば医療環境がさらに悪化する」などと訴えた。
同日開かれた都議会の厚生委員会では、移転反対の約40人が傍聴した。可知佳代子都議(共産)は「現在の3病院を残し、さらにセンター整備を考えるべきだ」と指摘した。これに対し、中井敬三・都病院経営本部長は「3病院は老朽化し、診療科が限定されており最先端の高度医療ができない。多くのいい医師が集まろうとしているのに、3病院存続のままでは足を引っ張ってしまう」と理解を求めた。【江畑佳明】
毎日新聞 2009年3月19日 地方版