ふるさとは愛キャラクターをして語らしむ

■鹿児島の西郷さんにも「愛犬」が…

西郷隆盛像の前に置かれた愛犬。人気ぶりに西郷さんも笑顔?

曜日限定で登場、観光客に大人気

 ボクの名前は「西郷さんの愛犬」。名札にちゃんと書いてるよ。西南戦争で西郷さんと行動を共にした「カヤ」に似てると、量販店で置物として売られていたボクを寺田克己さん(74)が買い、鹿児島市の西郷隆盛像撮影広場に置いたんだ。

 寺田さんはボランティアでガイドを務める、鹿児島観光語り部(48人)の代表。観光客に銅像の前で説明していると、「鹿児島の西郷さんは、なぜ上野のように犬を連れてないの?」と何度も聞かれたんだって。鹿児島の西郷さんは軍服姿。犬のお供は似合わないんだけど、リクエストに応えてボクを“採用”することにしたんだ。

 ボクが姿を見せたのは、昨年4月から。ゴールデンウイークには撮影広場にたくさんの観光客が集まり、観光語り部のみなさんも大忙しだったんだけど、ボクも引っ張りだこ。西郷さんをバックに一緒に記念撮影したり、体中をなで回されたり、しまいには強く引っ張られて後ろ脚を「骨折」してしまったり(寺田さんたちがすぐ治療してくれました)。

 中には「カヤに似ていない」と言う人もいるけど、観光客のいい思い出となり、西郷さんに「ご恩返し」できるならボクはうれしいよ。

 ちなみに鹿児島の西郷さんの像を作ったのは、安藤照という彫塑家。あの渋谷のハチ公も作った人だ。ボクもこの人の手で西郷さんのそばに置いてもらえたら、ここが鹿児島の待ち合わせスポットになったのかな。

 ボクは雨の日を除く土日と祝日に出て、みんなを待ってるよ。

【写真説明】西郷隆盛像の前に置かれた愛犬。人気ぶりに西郷さんも笑顔?

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