ふるさとは不思議人間をして語らしむ
■“過保護な愛”をマグロに注ぐ漁師がいる
食べやすい魚ばやらんと。 長崎・新上五島町 松園文策さん
マグロといえば、世界的に漁獲量を制限する気運が高まり、値上がりは必至。その中でも高級とされるクロマグロをペットとして飼う漁師が長崎県新上五島町にいる。
松園文策さん(49)がマグロと出合ったのは4年前。定置網にかかった体長20センチほどの4匹のクロマグロを持ち帰り、海中に沈めた網の中で飼い始めた。毎朝の漁で捕れた魚介類を餌として与え、マグロたちは少なくとも体重130キログラムに成長。2年前には“新入り”も30匹仲間入りした。
「祭りの目玉にマグロの解体ショーをするから売ってくれ」と頼まれたが、松園さんは猛反発。その愛に応えるように、松園さんがボートで近寄るとマグロたちが集まってくる。
「うろこの硬い魚はダメ。食べやすい魚ばやらんと」。松園さんが新鮮なアジを投げると、マグロは水族館のイルカのように大きくジャンプするのである。
【写真説明】松園さんが餌を投げるとペットのマグロは海面に大きくジャンプした
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