ふるさとは珍動物をして語らしむ
■堂々井戸にすむ8代目「うな太郎」
長崎・樺島のオオウナギ
長崎市の最南端に位置する樺島。この島の住宅地の一角にある井戸に、代々「うな太郎」の名を受け継ぐオオウナギがすみついている。
オオウナギは熱帯地域に生息するウナギで、普通のウナギとは別種。樺島の井戸は1923年、オオウナギの生息北限地として国の天然記念物に指定された。うな太郎はそれから数えて八代目。体長1.81メートル、重さ16.6キロの堂々たる体格だ。
なぜ、狭い井戸にすみついたのか。
祖父の代から、うな太郎の世話を続けているという幕亀太郎さん(82)によると、稚魚が地下水を通って井戸に入り込み、大きくなったということらしい。しかし井戸の周辺の側溝工事で、すり抜けられるすき間がなくなったこともあって、7代目が21年前に死んだ後、8代目をその年のうちに鹿児島県志布志湾の養殖場から連れてきたという。
うな太郎の餌はアジの切り身。「人間でいえば40歳くらいかな。うちのかあちゃんよりもかわいい島の宝物だよ」。幕さんは笑った。
【写真説明】昨年10月に恒例の“身体測定”を受けるうな太郎
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