ふるさとは珍動物をして語らしむ

■無臭 ゾウ糞紙に御利益あり?

ゾウの花子(上)のふんから作ったしおりやはがき。もちろんにおいはない

福岡・大牟田市動物園の人気イベント

 雌ゾウの「花子」は、地元の子どもたちにリサイクルを教えている大牟田市動物園(福岡県大牟田市昭和町)のアイドルだ。もっとも花子にその自覚はない。大量に出す糞(ふん)を使って、はがきやしおりを作るイベントが人気を集めているのだ。

 30歳の花子の体重は推定で約3トン。わらや干し草などを1日に約100キロ食べ、繊維分がたっぷり含まれた糞を出す。

 これを園の職員が漂白、乾燥させ、のりを混ぜて紙の原料は準備OK。ここまでくるとにおいは全くしない。参加者は、はがきサイズの木の枠に原料を流し込んで固め、アイロンで乾燥させる。所要時間は約10分。

 藤田寧一園長は「ゾウは学問や殖財の神とされる。学力向上や商売繁盛のお守りとしても使える」と、ゾウ糞紙の“ご利益”をアピールする。

 紙づくりのイベントは期間限定。次は春ごろになるそうだ。

【写真説明】ゾウの花子(上)のふんから作ったしおりやはがき。もちろんにおいはない

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