ふるさとは怪モニュメントをして語らしむ
■恋のため?人のため?マル秘トンネル
太宰府天満宮「お石茶屋」への近道
焼きたての梅ケ枝もちの香りが漂う「お石茶屋」は、太宰府天満宮(福岡県太宰府市)北神苑の1番奥まった場所にある。さらにその奥にあるれんが造りのトンネルが「おイシしゃんトンネル」だ。
お石茶屋の初代主人は「筑前三美人」の1人と言われた故江崎イシさん。その美しさときっぷのよさが評判となり、故佐藤栄作元首相をはじめ、多くの政治家や文化人が訪れたという。
イシさんが遠回りせずに自宅から通えるようにと約80年前にトンネルを掘ったとされるのが、福岡県飯塚市の炭鉱王・故麻生太吉だ。
2人が恋仲だったという話もあるが「登山客や参拝者のためだったのでは」と、今の主人・古川三知代さん(52)。イシさんの姪の長女である古川さんは、イシさんについて「マドンナというよりも男っぽい人でしたね」と思い出を語る。
住民や学生など、今でも1日平均約500人がトンネルを通るという。恋のためか、社会貢献か-。炭鉱王の頑丈なトンネルは、今も現役だ。
【写真説明】お石茶屋の裏手にある「おイシしゃんトンネル」
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