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18歳大迫、初先発初ゴール 先制点にも貢献 ACL

2009年3月19日11時33分

(18日、1次リーグG組 鹿島2―0上海申花)

 試合直後のインタビューを終えた鹿島の大迫は、ピッチ上でおろおろしていた。「観客席へあいさつに行こうかどうか、迷っちゃって……」。この夜が公式戦初先発だったのだから無理もない。ただ、そんな初々しさと対照的にプレーは落ち着き払っていた。

 まずは前半終了間際。相手マークが届きそうで届かない絶妙な間隔を取り、ゴールに背を向けて縦パスを受けると右に反転。走り込む野沢は、あらかじめ視界にとらえていた。左足で柔らかなラストパス。「イメージ通りでした」

 後半35分のプロ初得点は、さらに芸が細かい。左をドリブルするマルキーニョスに合わせ、勢いよくペナルティーエリアに入ったが「DFと動きが重なった。ちょっと下がろうと」。後ずさりしてパスコースをつくり、クロスを呼び込んで左足を軽く振り抜いた。GKの頭上を射抜いた。

 一連の動きに練習場の光景を思い出す。大迫は力んで球をけることがない。心がけるのは「7、8割の力で、コントロールを意識して」。日々の地道な積み重ねが派手な「初仕事」につながった。

 得点は最後のプレーだった。交代選手が準備を終え、プレーが途切れたらピッチを退くと決まっていた。「結果を出せて、うれしい」と珍しく満面の笑み。この18歳には運もある。(中川文如)

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