外来管理加算見直し、病院への影響強く
中央社会保険医療協議会の診療報酬改定結果検証部会(部会長=遠藤久夫)は3月18日、「外来管理加算の意義付けの見直しの影響調査」など3調査の結果(速報)を公表した。同加算の算定要件に、再診時の“5分要件”が加わったことで、診療所よりも病院の方が大きい影響を受けていたことが明らかになった。
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「外来管理加算の意義付けの見直しの影響調査」は、昨年4月の診療報酬改定で、算定要件に再診時の“5分要件”が加わったことで、診療内容がどう変わったかなどを把握するのが目的。一般病床が200床未満の病院と診療所のほか、患者を対象に実施し、それぞれ486、585施設と、1933人から回答を得た。
それによると、昨年10月末現在、同加算を算定しているのは、病院の96.5%、診療所の87.9%。
算定患者の1人当たりの平均診療時間は、病院では7.3分、診療所では7.5分だった。診察時間の分布を見ると、病院、診療所共に「5分以上6分未満」が最多で、「10分以上15分未満」が続いた。
見直しによる影響を病院、診療所別に見ると、「より詳細に身体診察などを行うようになった」では、「あてはまらない」(あまりあてはまらない、全くあてはまらない)とした病院は31.4%、診療所は41.5%で、「あてはまる」(大いにあてはまる、ややあてはまる)の24.1%、20.6%をいずれも上回った。
「患者に説明をよりわかりやすく、丁寧に行うようになった」については、「あてはまる」とした病院は34.3%で、「あてはまらない」(28.2%)を上回った。一方、診療所では「あてはまる」が25.8%にとどまり、「あてはまらない」(39.1%)を下回った。
「患者1人あたりの診察時間が長くなった」については、「あてはまる」が病院では44.6%、診療所では34.8%で、「あてはまらない」(病院24.7%、診療所32.3%)をいずれも上回った。
また、「あてはまる」との回答は、すべての項目で診療所よりも病院の方が多かった。
一方、患者への調査では、外来管理加算の認知度について「知らなかった」が66.5%で「知っていた」(24.2%)を大幅に上回った。
また、外来管理加算の時間の目安についての考えを聞いたところ、「時間の目安は必要でない」が55.8%で、「必要」(33.8%)を上回った。
■後期高齢者診療料、大きな変化はなし
この日の部会では、後期高齢者診療料と後期高齢者終末期相談支援料に関する2つの調査の結果(速報)も公表した。
後期高齢者診療料に関しては、通院回数や検査頻度などについて主病別に前年と今年の回数の変化を聞いたところ、「変化なし」がいずれの項目についても最多だった。
また、後期高齢者診療料が新設されてよかった点を患者に聞いたところ、「治療方針など今後のことが分かりやすくなった」が35.3%で最多。「よかったと思うことはない」(31.8%)、「医師から受ける症状などの説明が分かりやすくなった」(31.3%)も多かった。
一方、気になった点や疑問点については、「気になったり疑問に思ったことはない」が49.7%と最も多かった。
また、終末期相談支援料の調査では、終末期の診療方針などの話し合いを「実施していない」が病院で56.1%、その他の診療所で77.8%に上り、共に「実施している」を上回った。一方、在宅療養支援診療所は「実施している」が52.3%で、「実施していない」(47.7%)を上回った。実施していない理由では、「対象患者がいない」がいずれの施設でも最も多かった。
話し合い結果をまとめた文書の提供状況は、いずれの施設も「提供していない」が最多だった。
更新:2009/03/18 23:34 キャリアブレイン
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