ロボットの進化は目覚ましい。昨日の本紙に若い女性そっくりのロボットを、茨城県つくば市の産業技術総合研究所が開発した記事が載っていた。
公開されたロボットは、ファッションモデルのような歩き方をし、口が動いて「こんにちは。私はHRP―4Cです」と自己紹介した。ほほ笑んだり、驚いた表情を見せたりした。外見も動きも人間に近い。
近未来には心や考える力を持つロボットが誕生するかもしれない。アイザック・アシモフ著のSF小説「われはロボット・決定版」(小尾芙佐訳、早川書房)には、政治をロボットが担う時代が想定されている。
ロボット政治になれば、あらゆる紛争が避けられることになる。なぜなら、ロボット工学三原則の第一条は「ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない」と規定しているからだ。
紛争の全くない世界が必ずしも人類にとって幸せとはいえないが、最近の政治の混迷を見ているとロボット政治を期待したくなる。情けない。政局がらみで経済危機に迅速な対策が取れず、政治とカネの問題が渦巻く。まさに政治不況である。
人間はロボットと違って過ちを犯す。だが、間違いを改める力が備わっている、と信じたい。