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「見えない差別」見抜く力を
人権感覚を磨こうと、新潟市秋葉区の新津第五中学校で16日、人権・同和教育講演会が開かれた。山口県人権啓発センター事務局長の川口泰司さん(30)が「差別っていったいなんやねん?」と題して講演。1、2年生約330人に対して「いじめも差別も、される側に原因はなく、する側に100パーセント問題がある」などと訴えた。
講演会は道徳の授業の一環。同校は2008、09の両年度、文部科学省の人権教育推進指定研究校として研究実践を進めている。
愛媛県宇和島市の被差別部落に生まれた川口さんは、小学6年生のときに生まれた地域について初めて知ったこと、恋人の家族が交際を反対したことなど、自らの体験を赤裸々に語った。「この先、結婚するときに部落差別に直面するかもしれない。差別はされる側を不幸にしているんじゃなく、する側を不幸にしている。見えない差別を見抜く力を身に付けてほしい」と、メッセージを送った。
生徒会長の池田知世さん(14)は「差別は、ちゃんと学べていない人が間違った認識を持つことから始まる。私たちが学ぶことで差別行為が少しずつなくなっていくと思う」と話していた。
新潟日報2009年3月18日
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