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ミサイル問題、中国が自制要請か 中朝首相が会談(2/2ページ)

2009年3月18日23時23分

写真:北京の人民大会堂で18日開かれた歓迎式典に臨む北朝鮮の金英逸首相(左)と中国の温家宝首相=ロイター北京の人民大会堂で18日開かれた歓迎式典に臨む北朝鮮の金英逸首相(左)と中国の温家宝首相=ロイター

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 金首相ら北朝鮮代表団の権限にも疑問の声がある。韓国政府は「金首相にミサイル問題を扱う権限はなく、中国の考えを本国に伝えるだけの役割に終わる」(関係者)と分析していた。

 一方、友好を彩る経済協力には双方とも前向きだった。金首相には貿易、農業、金属工業の経済3閣僚が同行し、首相会談にも同席した。このため、会談では貿易拡大や資源開発などの議題が優先されたものとみられる。

 中国からの経済支援は北朝鮮の命綱でもある。代表に経済専門家の金首相を据えたこともその表れだ。韓国統一省によると、北朝鮮は98年9月に内閣の機能を強化した。それ以来、首相職は経済改革の責任者としての色彩が強い。金首相も陸海運相を務めた経済通で、前任の朴奉珠(パク・ポンジュ)氏の解任に伴い、07年4月に現職に就いた経緯がある。

 北朝鮮は06年10月の核実験で国際的に孤立を深め、経済環境は厳しさを増した。4月に開かれる見通しの北朝鮮最高人民会議では、経済不振の問題が取り上げられる可能性が高く、今回の訪中は安定した中朝関係の構築と支援の獲得が目標とみられる。

 しかし、韓国・北韓大学院大学の梁文秀教授は「中国が望む改革開放には、北は応じる力も考えもない」とみる。北朝鮮では最近、市場の規制強化など経済政策は保守化しており、「外交交渉に耐えうる政権の安定に必要なだけの支援を中国に求めるのではないか」と分析する声がある。

 金首相は19日、胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席、呉邦国(ウー・パンクオ)全国人民代表大会常務委員長とそれぞれ会見し、21日に帰国する予定。

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