2009年3月18日23時23分
【北京=坂尻顕吾、ソウル=牧野愛博】中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相は18日、北京の人民大会堂で中国を公式訪問中の金英逸(キム・ヨンイル)・北朝鮮首相と会談した。新華社通信によると、温首相は北朝鮮に核問題をめぐる6者協議の早期再開を促した。北朝鮮が「人工衛星」だとして発射準備の動きを見せるミサイル問題についても、新華社は具体的に触れていないが、何らかの形で自制を促したとみられる。
新華社は「双方は共に関心を持つ国際・地域問題について広く深い意見交換を行った」と伝えた。北朝鮮のミサイル発射問題を問われた際、中国側が常に用いる表現であり、首相会談の場でも、温首相から国際社会の懸念を伝える形で自制を促したものとみられる。ただ、具体的なやり取りには触れていない。
新華社によると、会談で温首相は(1)中朝関係の政治的基礎の強化(2)貿易投資やエネルギー開発の推進(3)文化交流推進(4)6者協議の積極的な推進――の4点を提起。特に6者協議について、「中国側は朝鮮半島の非核化実現に向け引き続き建設的な役割を果たしたい」と述べた。
一方、金首相は「中国政府は世界金融危機が国内に及ぼした影響を取り除き、50年に一度の大干ばつを克服するなど大きな成果を上げた」などと語ったという。
ミサイル問題をめぐっては日米韓が人工衛星でも安保理決議違反にあたるとの姿勢で足並みをそろえ、中国の説得に期待を寄せている。だが、温首相は13日の記者会見で「矛盾を激化させるようなことは行わないよう希望する」とし、北朝鮮を名指しせず、間接的な表現で自制を促すにとどめていた。
北朝鮮と伝統的な友好関係を結ぶ中国では、強硬姿勢が金正日(キム・ジョンイル)体制の反発を招き、朝鮮半島の安定も揺るがしかねないとの考えが強い。今年を中朝国交樹立60周年の「友好年」と位置づけていることも影響しているとみられる。