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野焼き死亡事故 由布市、中止勧告せず

[2009年03月18日 14:56]

由布市が設置した対策本部で清水嘉彦副市長(左)らが火災現場の状況を確認=18日午前、由布市湯布院庁舎

 由布市湯布院町塚原地区で十七日に野焼きの炎が広がり作業中の住民ら四人が死亡した事故で、市条例で「火入れ」が禁止されている乾燥注意報が出ていたのに、野焼き実施の事前連絡をしていた塚原財産管理委員会(溝口哲生委員長)に市が中止を求めていなかったことが十八日、分かった。首藤奉文市長は「野焼きは慣例的に地元に任せていた。市の管理体制が甘かった」との認識を示した。また、条文には、火入れをしてはならないケースの一つとして、気象庁が二十年ほど前に使用をやめた「異常乾燥注意報」の発令時と記していたことも判明。現在の乾燥注意報に当たるが、条例改正をしておらず、野焼きに対する安全面への配慮が乏しかったことが浮き彫りとなった。
 市によると、同委員会は二月二十日―三月二十一日の間の穏やかな日に総面積四百八十㌶の原野を野焼きするとの申請書を二月二日付で市に提出。さらに今月十三日、市に「十七日に野焼きをする」と電話連絡していたという。
 大分地方気象台によると、県内全域には十四日午前から、継続して乾燥注意報が出ていた。市はこれを認識していたにもかかわらず、同委員会に中止勧告など具体的な指示はしていなかったという。
 十五日と十七日に、塚原地区以外でも市内計二カ所で野焼きが実施されたが、市は中止を求めていなかった。
 清水嘉彦副市長は「条例に抵触すると知っていれば当然指導しなければならない。長年、地元の意向を尊重し(条例を)厳密に運用していなかった」。現行条例が野焼きの延焼防止を主眼としていることから「作業員の安全確保の観点を盛り込んだ条例に見直したい」と述べた。
 一方、気象庁によると「異常乾燥注意報」はかつて使用されていたが「発令頻度が高く『異常』を付けるのはそぐわない」と、一九八八年四月に「乾燥注意報」に変更した。
 だが二〇〇五年十月に旧大分郡三町が合併した際、市は旧町時代の条文を精査しないまま現在の条例を制定。市は「文言について必要な見直しをしていなかった」とミスを認めている。


3遺体がうつぶせ状態

 亡くなった四人のうち、三人の遺体はうつぶせの状態で見つかったことが現場に駆け付けた消防団員の話で分かった。炎から逃れる際、転倒したとみられる痕跡もあったという。
 現場は斜面になっており、一人は頂上付近、一人は中腹、二人はふもとに近い場所で見つかった。
 消防団員によると、山頂付近で見つかった遺体から約十㍍上には、作業中に携帯していたとみられる簡易型放水器が落ちていた。「逃げる際に滑落したのではないか」と消防団員は推測する。
 また、ふもとに近い場所で見つかった二人のうち一人は、谷間のくぼ地に座り込むような状態だった。「逃げるのをあきらめたのではないかとも思えた。谷も多く、原野のため大きな石も転がっている。万が一の場合、高齢者の足で逃げるのは難しい」と消防団員。
 県警と由布市消防本部は十八日午後一時から合同で実況見分をして、安全管理に不備がなかったか調べる。

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